ロシアW杯開幕まで残り66日となった4月9日、サッカー日本代表に激震が走りました。日本サッカー協会は9日、日本代表の監督を務めているヴァイッド・ハリルホジッチ氏を解任したと発表しました。後任には技術委員長の西野朗氏に決定しました。W杯開幕まで残り66日ですが、この時期での監督交代は異例です。
9日夕方に東京都内で記者会見が行われ、田嶋幸三会長が「日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督との契約を7日付で解除した」と述べ、解任理由については「3月のマリ戦とウクライナ戦の後、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄らいだ」と明かし、「1%、2%でもW杯で勝つ可能性を追い求めたい」との事から、ハリル氏の解任を決断したという。
田嶋会長は現地時間7日にフランス・パリのホテルでハリルホジッチ氏と会い、代表監督の解任を直接伝えたそうですが、ハリル氏が「納得できない。なんでこの時期なんだ?」と怒りを露わにしたそうです。
また、ハリルホジッチ監督と同様、コーチのジャッキー・ボヌベー氏、GKコーチのエンヴェル・ルグシッチ氏、フィジカルコーチのシリル・モワンヌ氏の契約解除も決定。
ハリルホジッチ氏は、2005年3月に八百長疑惑で解任されたハビエル・アギーレ前監督の後任として日本代表に就任。初采配となったチュニジア戦を2-0で勝利を挙げると、W杯アジア2次予選では7勝1分け。2016年9月から始まった最終予選では、厳しい戦いが続きながらも6大会連続のW杯出場に導き、6勝2敗2分け・勝ち点20でグループB首位通過。
しかし、本大会出場を決めた後は成績が落ち、11月の欧州遠征でブラジルとベルギーに連敗。国内組のみで臨んだE-1サッカー選手権(東アジアカップ)では、2連勝しながらも、3戦目の韓国戦で1-4と惨敗して優勝を逃しました。今年3月のベルギーでの2連戦では、「仮想セネガル」のマリ戦で1-1の引き分けに終わると、ウクライナ戦でも1-2と敗れました。2試合とも試合内容が低調でした。
西野朗氏を後任にした理由としては、「新監督には内部昇格しかない」と考え、「W杯まで2か月しかなく、内部で一番このチームを見てきた西野氏にした」と説明しました。
西野氏はU-23代表監督時代、日本代表を28年ぶりの五輪出場に導き、1996年アトランタ五輪でブラジル代表を破る「マイアミの奇跡」を実現。柏レイソル時代は1999年のナビスコカップで優勝。ガンバ大阪時代は、2005年のJ1リーグ年間王者、2008年にはAFCチャンピオンズリーグ優勝、さらには天皇杯で連覇を果たし、ガンバの黄金時代を築きました。その後、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスの監督を歴任し、J1最多の通算270勝の実績を誇ります。
西野新監督は協会を通じての声明文を出し、「このタイミングでの監督交代は非常に難しいことですが、自分の立場だけを考えるのではなく、現状況を打破することが第一義だと判断し、日本代表の指揮を執ることにしました。ワールドカップに向けて、サッカー界の力を結集していけるように、全身全霊で取り組んでいきます」と述べました。
W杯開幕まで残り2か月での監督交代は、私自身も本当に驚いているんですが、「今になってなぜ?」「遅すぎないか?」という気持ちもあります。W杯出場決定後に監督が変わるのは、日本サッカー史上初の事態。ハリルホジッチ氏から西野氏に変わることで、これまでの戦術が大きく変わるだろうし、チーム全体の準備不足が心配されます。
W杯出場を決めた後、本大会に向けてさらに力をつけるはずが、勝てない試合ばかり。「強化」というより「弱化」、あるいは「凶化」か「狂化」といった感じだ。こんな試合が続くから、見てても全く面白くもない。先日の2連戦なんか殆ど見てなかったです。今の状況では本番で勝ち点を1つも挙げられないだろうし、正直応援する気にもなれないです。
火中の栗を拾う形で日本代表の新監督となった西野さんは、五輪代表、ACL優勝、クラブワールドカップ出場と国際舞台の経験は豊富。W杯本番までの短期間で日本代表を立て直せるかわかりませんが、良い方向に向かわせてくれることを願いたいし、みんなが応援したくなるようなチームを作り上げてほしいです。