2009年最初の中央競馬GIレース、春のダート王決定戦・第26回フェブラリーステークスが22日、東京競馬場で行われました。今年はダイワスカーレットが2009年の初戦に使う予定だったんですが、浅屈腱炎で回避→引退ということになりました…。今年は、GI7勝の②カネヒキリ、昨年の覇者・⑨ヴァーミリアン、2007年優勝馬・サンライズバッカスの過去3年のフェブラリーSの勝ち馬が揃いました。もちろん勝てば史上初の同レース2勝目です。7歳2強に待ったをかけるのは、3歳ダート王・⑮サクセスブロッケン、ドバイに挑戦する⑭カジノドライヴ、JBCスプリントを制した⑤バンブーエール、根岸ステークス優勝馬・⑯フェラーリピサ、ダートに転向してから5連続連帯中の⑫エスポワールシチーなど。東京ダート1600mに16頭が出走し、ダート実力日本一の座をかけて争われました。
直前の単勝オッズでは、カネヒキリが1番人気(2.7倍)、2番人気にヴァーミリアン(4.1倍)、カジノドライヴが3番人気(5.0倍)、以下フェラーリピサ(8.8倍)、エスポワールシチー(9.4倍)と10倍以下が5頭も出ました。
ファンファーレが鳴り、順調に各馬がゲート入り。スタートの瞬間、サンライズバッカスが出遅れ、専攻争いではエスポワールシチーがダートに入ると同時に先頭に立ち、2番手争いにカジノドライヴとサクセスブロッケン、カネヒキリが4番手で内側から徐々に進出。フェラーリピサが5番手、ヴァーミリアンは7番手、バンブーエールは10番手のところ。後方では⑦ヒシカツリーダー、サンライズバッカスが15番手、⑩ビクトリーテツニーが最後方。
逃げるエスポワールは最初の600mを35秒台、800mを46秒台と速いペースを刻む。カジノとブロッケンの4歳コンビが続き、上位3頭は4歳が独占中。カネヒキリはフェラーリピサと並走、ヴァーミリアンは7番手で外側に持ち込む。残り600mから最後の直線に入ってもエスポワールが先頭、2番手とは3馬身のリードで逃げ粘る。カネヒキリが最内から追走し、カジノを捉える勢い。ヴァーミリアンも追い上げるが勢いが感じられない。フェラーリも外側から捉えるも届きそうにない。残り200で先頭争いが激しくなり、逃げるエスポワールをカジノが捉え、間からカネヒキリが突き刺すが、ゴール前でブロッケンが2頭を差し切ってゴールイン!ゴールの瞬間、内田博幸騎手がガッツポーズ!2着争いはカジノとカネヒキリが並んだものの、僅かの差でカジノドライヴが2着、カネヒキリは3着に敗れました。
最終成績&払戻金
1⑮サクセスブロッケン 1:34.6/レコード
2⑭カジノドライヴ クビ
3②カネヒキリ アタマ
4⑫エスポワールシチー 1.1/4
5⑯フェラーリピサ 1.1/2
6⑨ヴァーミリアン クビ
7⑪アドマイヤスバル 4
8⑤バンブーエール アタマ
9④トーセンブライト 1.1/2
10⑦ヒシカツリーダー クビ
11①カフェオリンポス クビ
12⑩ビクトリーテツニー 3/4
13⑥ナンヨーヒルトップ クビ
14⑧キクノサリーレ クビ
15③サンライズバッカス 2.1/2
16⑬オフィサー クビ
単勝 15 2,060円
複勝 15 450円 14 200円 2 130円
枠連 7-8 1,490円
馬連 14-15 4,710円
馬単 15-14 14,070円
ワイド 14-15 1,700円 2-15 1,180円 2-14 450円
3連複 2-14-15 5,730円
3連単 15-14-2 57,720円
サクセスブロッケンがゴール前での3頭の叩き合いを制して春のダート王に輝き、2着にカジノドライブが入って4歳馬のワンツーフィニッシュ。前人未到のGI8勝目を狙ったカネヒキリが3着に敗れ、ヴァーミリアンは直線で伸び足を欠いて6着と掲示板を外しました。4歳馬のワンツーとダートの2トップが敗れ、ダート戦線の世代交代を告げたレースとなりました。
サクセスブロッケンの優勝タイム・1分34秒6は、2005年優勝馬・メイショウボーラーが持っていた東京ダート1600mのレコードタイムを0.1秒更新。カネヒキリまでの上位3頭が同タイムでゴールしました。ブロッケンは昨年のジャパンダートダービー以来のGI2勝目、鞍上の内田博幸騎手はGI4勝目、前日のクイーンカップでディアジーナとのコンビで制したことで、2日連続の重賞制覇を飾りました。
ジャパンダートダービー以降、出るレースでは常にカネヒキリやヴァーミリアンが立ちはだかっていたんですが、ようやく7歳2強の壁をぶち破ることが出来ました。このまま7歳2強の時代が続いたらダート戦線に未来は無い、2頭を超える次世代の馬が必要だと言われていたときにサクセスブロッケンがやってくれましたね。2着のカジノドライヴ、4着のエスポワールシチーはブロッケンと同期の4歳馬。この3頭以外にも、ダート5連勝中のウォータクティクス、ユビキタス、キクノサリーレとダートの逸材が多数います。ブロッケンがGI制覇したことで、次はカジノがGIを獲る番です。ドバイワールドカップで「カジノドライヴ優勝!」という競馬ファンを歓喜の渦に巻き込むようなニュースを待ちたいところです。
3着に終わったカネヒキリはGI8勝の新記録達成はならず。短い間隔でのレースが続いたことで疲労が溜まっていたのか、内枠だった事が敗因だったんでしょう。復帰後も強い走りが続いたので、このレースも勝てるだろうと予測していた人も多かったんじゃないでしょうか…。4歳コンビに敗れましたが、まだリベンジするチャンスはあるかもな…。6着のヴァーミリアンですが、武豊騎手のコメントに「本質的にマイルの馬じゃない」とあり、確かに長距離クラスのレースが続いたことで感覚が掴めなかったように思えます。でもこの着順を見ると、右肩の違和感が影響したのかもしれません。しばらくは休養した方がいいでしょう。
この後のGIレースは、3月29日に第39回高松宮記念(中京競馬場・芝1200m)が行われます。その前哨戦が来週あり、阪神競馬場で阪急杯が開催されます。高松宮記念の他にも安田記念のステップレースでもあるんですね。ファイングレイン、ファリダット、ローレルゲレイロ などが登録されています。中山競馬場では中山記念が行われ、エアシェイディ、ドリームジャーニー、カンパニー、スマイルジャックが出走予定となっています。春の訪れとともにGI戦線がヒートアップ、今年の上半期の競馬界はどの馬が主役になるのか?