異常な猛暑が連日続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。個人的には、ロシアW杯ロス、野球も面白くない、猛暑の影響で心身ともに憂鬱でしんどいです。今は競馬を観る事しか楽しみがありません。今年は年明けから歯痛に悩まされ、6月に喉を痛めたりしたので、散々な年であります。どうせ年末までずっと良くならないですよ。
さて、7月22日は、福島・函館・中京の夏開催の最終日。函館競馬場では2歳世代最初の重賞競走・函館2歳ステークス、中京競馬場ではサマーマイルシリーズ開幕戦・中京記念が行われました。
函館メイン・第50回函館2歳ステークス(GⅢ・芝1200m 16頭立て)は、ダノンバラード産駒②ガイセン、ジャスタウェイ産駒⑩ラブミーファイン、パドトロワ産駒⑧エムティアン(北海道競馬所属)の新種牡馬組をはじめ、「エイシンフラッシュ×スペシャルウィーク」⑪ナンヨーイザヨイ、⑥アスターペガサス、⑤カルリーノ、③スズカカナロア、④トーセンオパールといった函館1200m勝利経験馬、ルメール騎手が乗る⑮ホールドユアハンドなどが参戦しました。
スタートで⑨ロードワンダーが出遅れて最後方からの競馬。アスターペガサスも後方から。①ラブミーリッキーが最内からスッと抜けて先手を取り、エムティアンが2番手、3番手にラブミーファイン、4番手から⑬レコードチェイサー(北海道)が接近。5番手スズカカナロア、その後ろの6番手グループにはカルリーノ・⑦イチゴミルフィーユ・⑯ニヴィアンの3頭が固まっている。中団には⑫ラブロンリロンス、⑪ナンヨーイザヨイ、④トーセンオパール、アスターペガサスがいて、13番手ガイセン。後方は14番手に⑭ヒストリコ、15番手ホールドユアハンド、最後方にロードワンダー。
3,4コーナー中間のところで、先頭争いはラブリキ&ラブファイの「コパ軍団」、エムティアンの3頭が並び、スズカナとカルリーノは先頭集団からすぐ後ろの4番手グループで追走。アスター・イザヨイ・オパールは中団馬群。ホールドは最後方に下がった。
直線コースに入って、ラブミーファインが先頭に浮上。内側でエムティアンもまだ食い下がり、後続からはスズカカナロアとカルリーノが追いかける。ゴール残り200mでラブファイが抜け出し、エムティアンとカルリーノが2,3番手で争うが、大外からアスターペガサスが襲い掛かり、ゴール前でカルリーノをかわす。そして最後はアスターとラブファイの2頭が並んでゴール!ラブミーファイン押し切ったか?アスターペガサスが最後に差し切ったか?
2018年のJRA最初の2歳重賞はゴール前大接戦となりましたが、2番人気のアスターペガサスが制しました。7番人気だったラブミーファインは、最後の直線で抜け出したけど、最後にかわされてハナ差の2着。ジャスタウェイ産駒のいきなりの重賞初制覇とはなりませんでした。3着には3番人気のカルリーノが入り、1番人気のナンヨーイザヨイは9着。ホッカイドウ競馬からは2頭が参戦し、エムティアンは残り200mあたりまで先頭争いを演じて4着、もう一頭のレコードチェイサーは13着という結果でした。
勝ったアスターペガサスは、栗東・中竹和也厩舎に所属し、父・ジャイアンツコーズウェイ、母・アールヒートライトニングの間に生まれました。ジャイアンツコーズウェイは現役時代にアイリッシュチャンピオンステークスやエクリプスステークスステークスなどGⅠ6勝を挙げ、種牡馬でも日本のGⅠ馬(エイシンアポロン)を輩出しましたが、今年4月に死亡しております。
鞍上の小崎綾也(りょうやと読みます。『あやや』ではありません)騎手は、デビュー5年目で嬉しい重賞初制覇。昨年はオーストラリアで武者修行を行い、今年は21勝をマーク。7月14日にはJRA通算100勝を達成し、今回の勝利は通算101勝目となりました。同期には松若風馬騎手、石川裕紀人騎手、木幡初也騎手などがいますが、それら以上の活躍を期待したいです。
アスターペガサスは6月24日の新馬戦でデビューし、3番手でスタートしたあと、3,4コーナーで2番手に浮上。最後の直線で抜け出した勢いそのままに突き放し、2馬身半差の圧勝。2戦目となった今回は、スタートで出遅れて後方待機を強いられましたが、直線で大外から一気に突っ込んで差し切り勝ち。先行もできるし、差す競馬もできるんですね。年末の朝日杯FSでも鋭い末脚が見てみたい。
中京メイン・第66回トヨタ賞中京記念(GⅢ・芝1600m 16頭立て)は、昨年の優勝馬で夏に強い⑬ウインガニオン、2年前の勝ち馬⑩ウインガニオン、復帰2戦目①スマートオーディン、京都金杯を勝った③ブラックムーン、重賞初勝利を目指す⑯グレーターロンドン、2016年のシンザン記念勝ち馬⑫ロジクライ、④リライアブルエース、⑪ワントゥワン、⑭ミエノサクシード、3歳馬⑤フロンティア、②ロワアブソリューなどが参戦しました。
バラバラ気味のスタートで、ブラックムーンがダッシュつかず。⑦アメリカズカップと⑧マイネルアウラートの4枠2頭が行くかと思ったら、ウインガニオンが馬なりで上昇してハナを奪い取った。4番手にロジクライ、5番手⑥コウエイタケル、6番手に⑮ムーンクレスト、7番手⑨ダイメイフジ、その後ろの8,9番手の位置にロワアブソリューとフロンティアが並走。その後ろの10番手グループには、内からスマートオーディン、真ん中ミエノサクシード、外側にグレーターロンドン。後方勢は13番手にリライアブルエース、14番手ガリバルディ、11番手ワントゥワン、最後方ブラックムーン。
かなり縦長の状態で3コーナーを回り、ガニオンが先頭をひた走り、アウラート2番手、アメリカズは3番手に下がる。ロジクラはまだ4番手、オーディン,フロンティア,ロワアブ,グレーターは中団馬群。リライアブルとワントゥはまだ後方の位置。
最後の直線コースで、アメリカズカップが内ラチ沿いを走り、ウインガニオンは馬場の真ん中を走り、その間からロジクライが割って入ろうとする。外からはフロンティアとグレーターロンドンが脚を伸ばしてきた。ゴール残り200mで、ロジクラがわずかに先頭だが、グレーターが飛んできた!残り100mを切ってグレーターがロジクラをかわし、そのまま先頭ゴールイン!グレーターロンドン中京で待望の重賞初制覇を果たしました!
サマーマイルシリーズの開幕戦は、単勝10倍以下の馬が6頭もひしめき、1番人気だったグレーターロンドンで5.0倍も
ついたので、大混戦になるかと思われました。終わってみれば、1番人気のグレーターロンドンが大外から追い込んで差し切り勝ちを収めました。中京記念では1番人気が18連敗中でしたが、グレーターが連敗記録をストップさせました。走破タイム1分32秒3は、中京芝1600mのコースレコードであります。
2着のロジクライは、直線で内側に斜行し、マイネルアウラートが不利を受けました。しかし降着もなく、浜中俊騎手への制裁もなし。3着争いでは、外から追い込んだリライアブルエースが3着に入り、メンバー唯一の3歳馬・フロンティアは4着。3番人気のワントゥワンは5着。連覇を目指したウインガニオンは、スタートからハイペースで飛ばしましたが、直線で脚が止まり8着に終わっています。
悲願の重賞初制覇を果たしたグレーターロンドンは、ディープインパクトとロンドンブリッジの間に生まれました。2015年の3歳以上500万下から昨年3月の東風ステークスまで5連勝を飾った後、安田記念で4着、毎日王冠で3着と好走。今年に入ってからは東京新聞杯9着→ダービー卿5着→京王杯SC4着と順位を上げてるものの、5連勝した時のような勢いが感じられずにいました。この日の中京記念で大外からグイッと伸びて見事に勝利。いつ重賞を勝ってもおかしくない素材が、6歳になってやっと初タイトルを手にしました。外側の馬場が良かったのもあるけど、大外枠だったのもラッキーでしたなぁ。この先は毎日王冠or富士ステークスをステップに、マイルチャンピオンシップへと向かうのでしょうか。
グレーターの鞍上・田辺裕信騎手は中京記念初勝利。この日は中京に参戦しましたが、夏の福島シリーズで11勝を挙げ、夏の福島リーディングを獲得。最高の形で故郷への恩返しができたと思います。
来週からは札幌、新潟、小倉の夏開催が一斉に開幕。29日は札幌競馬場ではクイーンステークス、新潟競馬場ではアイビスサマーダッシュが行われます。
クイーンステークスには、ドバイターフ3着のディアドラ、不振が続くソウルスターリングのGⅠ馬2頭の他に、マーメイドステークスを制したアンドリエッテ、函館記念3着のエテルナミノル、4戦連続2着のフロンテアクイーン、かもめ島特別を勝ったティーエスクライ、ツヅミモンとリバティハイツの3歳馬2頭も登録。アグレアーブルにはJRA通年免許を受験すると言われているジョアン・モレイラ騎手が乗るとか。
アイビスサマーダッシュには、ダイメイプリンセス、ノットフォーマル、レッドラウダ、ナインテイルズ、アペルトゥーラの「韋駄天ステークス組」、昨年3着のレジーナフォルテ、3歳牝馬のラブカンプー、オルフェーヴル産駒のモルフェオルフェらが登録しています。
暑い日がこれからも続きます。熱中症には気をつけてください。