どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

崖の上のポニョ、鑑賞

2008年07月20日 18時08分36秒 | 映画
いわゆる宮崎アニメを映画館で観るのは久々です。ここのところ大作指向が続き、「ゲド戦記に至っては行くところまで行ってしまったか…」みたいな感じで倦厭気味だったんですよね(^_^; でも本作は今までの流れをガラッと変えて、”パンダコパンダ”や”となりのトトロ”路線だなと直感し期待してたんです。CG処理に頼らす、手描きアニメで原点回帰的な…とか。



…で、昨日観てきたワケですが、正直に言って面白いとは言いがたい作品でしたね。以下はネタバレを多く含みますので、未見の方はご注意を(^_^;

”5歳の子供にわかってもらえる話”と言う事でしたが、?なところが多くて、妙な複雑さが鼻についてしまって。まぁ…ポニョがカワイイとか感じてくれれば成功なんでしょうけど(^_^; フジモトの立ち回りが掴みづらくて、その行動をどう理解して良いのかイマイチ判りませんでした。グランマンマーレも化粧が濃いなぁと言う印象ばかり残ってしまい(^_^;

ストーリーも何で世界がどうのこうのと言う大きな話しにしてしまうのか…、小さな町の小さなお話しで良かったんじゃないかと。変に大袈裟にしてしまって、観ている方は置いてけぼりを喰った感じなんですよね。ある意味で宮崎風”セカイ系”なのかなと思ってしまいました(笑)

作画は、記事にもあるように実線主義を貫いたフルアニメが特徴的ですが、個人的にはちょっと苦手で、ウネウネ動いて気持ち悪い感じなんですよね…。昔の東映アニメ、さらに遡って戦時中の"桃太郎 海の神兵"の動きを想起してしまいました。まぁ原点回帰という意味では、その通りなのかもしれません。でもクドイ(^_^; モブと言うかあらゆるシーンでこれでもかと言うくらい、クラゲでも魚でも船でも人でも、どのシーンでも高密度で描き過ぎていて、胸焼けしてしまいます。

洪水で街が水没するシーンはまさに”パンダコパンダ 雨降りサーカス”の焼き直し。でも上述のクドサがあってキレイに見えない。リアル感とファンタジーのバランスが良くない感じです。

良かったなと思うシーンは、中盤でポニョが嵐でうねる魚の大群の上を疾走しているところ。あのスピード感と迫力はコナン以来で、久しぶりでした(^_^) ああ言うのが宮崎さんの醍醐味だなぁと。それと生活描写のうまさは流石です。お茶を飲んだり、食事をしたりのディテールは凄い。本当に美味しそうなんですよねぇ…。

奇しくも今年は2008年、”未来少年コナン”では世界最終戦争が起こり、人類のほとんどが死滅してしまった年です(^_^; 「あの時代よりも世の中が窮屈になっている」と言うことですが、やっぱり…宮崎アニメも大人の事情ってヤツに縛られて、窮屈になってしまってるんだなぁと思わされましたね。