どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

酔いどれ天使・野良犬(生誕100周年記念上映)、鑑賞

2010年03月31日 18時18分05秒 | 映画
両作品とも1948(昭和23)年・49(昭和24)年と、終戦直後に制作されたもので、共に当時の世相を描いています。それだけに観客も非常に高齢層(^_^; 70代前後の方々に囲まれておりました(^_^; 上映開始と共に昭和にタイムスリップした感覚も味わえました。

しかし、これらも何度もテレビ画面を通じて観ていますけれど、スクリーンで観ると全く別モノで新鮮ささえ感じてしまいますねぇ…。「七人の侍」でも感じたように、縦構図とアオリをメインにした画角が素晴らしいです。人物の存在感が凄い!

両作ともに、三船敏郎を採り上げられることが多いし、私も彼を軸として観てきた感じがするのですが、今回は志村喬の一見地味だがシブくて分厚い人物像に惹かれて観ていました。「酔いどれ天使」の医師役は、悪に対する怒りを胸にしての行動にグイグイと引き込まれますし、「野良犬」のベテラン刑事役では惚けた味わいを濃厚に演じきっています。志村さんって、あらためてウマイ俳優だったんだなぁと思わされましたねぇ。

しかし撮影中は大変だったんだろうなと感じるのは、「熱い熱い!」と言いながら、吐く息が白いこと(笑) 黒澤さんは、冬場に夏を演じさせることによって良い感じが出てくるんだと言ってますが、これは撮影と公開時期の関係からのある意味ゴマカシですよね(^_^; 俳優さんたちは寒い中、薄着になって、時には扇風機まで抱えて大変だったろうと推察いたします(´Д`;) まぁそれの極めつけは「七人の侍」なんですが。

私は、どちらかと言うと「七人の侍」以降の昭和30年代の作品群が好みなんですが…、いや~でも、観てきて良かったなと改めて思います。映画は映画館で観ることの意義を本当に考えさせられましたしね。