どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

この世界の片隅に、改めて「極上音響上映」を味わう

2016年11月20日 17時10分00秒 | アニメ
「極上音響上映ではいつもよりもお静かに!【極上音響上映】は紙を立てるような繊細さで調整しています。そして、お客様は一音一音に、意識を集中してお聴きになられています。つきましては上映中のご飲食等には最大限のご配慮をお願いします。それに見合うと評価していただけるようより一層の質の向上に努めます」<立川シネマシティ>

昨日三回目の鑑賞。

もう、かなり落ち着いて観ていられるだろうと思ってましたが、やはり...常に頬を伝うものを抑えることはできませんでした。

愛おしさと切なさ、そして凜とした美しさに終始やられっぱなしで。

加えて、極上音響の上質なシステムの響きに酔いしれて。

海のさざ波、虫の羽音、遠くで鳴く鳥のさえずり、そして登場人物たちの吐息など、まさに一音一音の分離がよく自然に優しく耳に伝わる感じ。

突然鳴り響く砲火、爆音、地面や瓦屋根に突き刺さる散弾、そして聞いたこともない特有な焼夷弾の落下音にドキッとさせられ、緊張する瞬間。

のどかで平穏な村落が突然地獄の戦場に豹変する状況変化。

丁寧なアニメーション映像の上にさらに微細にのせられ、慎重に調整されたSEが本作の大きな特徴になっているなと感じます。

そして今回劇伴を担当したコトリンゴさんの優しく嫋やかな楽曲が、本当に丁寧に重ねられていて、映像の邪魔をせず、自然に引き立たせている。

立川シネマの音響システムは、映画の潜在能力を最大限に引き出し、作品の旨味を鑑賞者に降り注いでくれる素晴らしい映画館だなぁと、行く度に思う。

友人と弟を伴いましたが、彼らも存分に楽しみ満足してくれたようです(^_^)

二人とも原作をほとんど知らない状態でしたが、ジワジワと沁みる作品で、泣かずにはいられなかったと...。

帰りがけに客層をナントは無しに見回しましたけど、今回嬉しかったのは小学生くらいの子供連れの家族がチラホラいたことです。

これは先週感じなかったことで、本当に嬉しいなぁと思いましたね。

決して難しい話しではないし、戦前・戦時中の庶民の生活様式を見事に具現化してもいる本作を観て感じ取って、判らないことは大人に聞いて見る。

こういうことが本当の伝承になりますし、映画の本懐だと。

また、映画館のロビーに掲示されているスティールをジッと見ている70〜80代くらいの女性も印象的でした。

この人は映画をみて、どう思ったのだろう...。

来週は日本語字幕付き上映を行われます。

なんとか時間を見つけて、晴美さんと同世代で難聴になっている母を誘いたいと思っています。