どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

「本土決戦」への現実感

2020年08月14日 22時55分00秒 | 話題
警察署・新聞社・市役所・放送局・工場...民間の住宅も含め、都市の全てが地下に潜ってしまった世界...題して「本格的防空都市」。

今の視点にたって観ると、まるで「ディストピア」じゃないか...と悪い冗談にしか感じないんだけど、沖縄戦も始まっていた昭和20年春においてはいよいよ本気で準備しておかないと...という強いリアリティがあったのか?

イラスト上部に描かれている燦々と輝く太陽と穏やかな海がどこか諦念を感じさせて切ない...みんなモグラになってしまった...こんな世の中に誰がした?...と。

私の祖父もそうだったらしいが、「こんな戦争勝つわけない」と当時の大人の大半は思いつつも、うんと狭められた選択肢の渦中にあれば、そうとは思いつつも仕方ないと諦めていたのだろうと想像する。

襲来してくる米軍兵士に対し「竹槍デ思ヒ切リ突ケ」とし、「降下着陸瞬時ニ各個ニ次々ニ殺ス」の「〜に」の繰り返しがヒステリックで絶望を感じさせられてしまう。

これがお前らが選択した世界なんだろ?とぶっきらぼうに投げつけられているかのようだ。

いやいや...まさかここまでとは...と思った時は遅いのだ。

将来またこうならない保証なんて誰にもできないからね...「本土決戦」マニュアルを見て、いろんな想いに耽ってしまった...。