どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

大塚康生さん、逝去

2021年03月16日 20時15分00秒 | 話題
昨日深夜、Twitterで流れていた情報で知りました。

大塚さんについて「過去形」で語る書き込みに...嫌な予感めいたもので心が疼き、そして15日の朝に亡くなった事実を知り...なにも手につかなくなってしまいました...。


御年89歳、大往生と言える年齢ですが...やはり失ったものの大きさに落ち込みます。

大塚さんは私が「アニメーター」とか「作画監督」という存在を認知した最初の人物です。

小学生時代に親しんだ作品のオープニングには「大塚康生」という名前を目にすることが多く、楽しく面白いTVまんがは皆、大塚っていう人が作っているんだなと。

当時は「おおつかやすお」と読めず、「おおつかこうせい」と言ってましたっけ...。

余談ですが...先日「シン・エヴァンゲリオン新劇場版」鑑賞の帰り、同行の友人とそんな話しをしましたが...どこか虫の知らせみたいなものを感じていたのかなと、不思議な気持ちになっています。

そして...その後、中学・高校へと年を経るごとに、大塚さんの凄さと深みに触れ、アニメーターという職業に強く憧れるように...。

半生記でもある「作画汗まみれ」は出会った本の中でも特別に大事な存在で、新装版が出る度に購入してきました。

戦時中の鉄道、戦後の進駐軍による各種車両のスケッチ群は、構造とディテールの描写に舌を巻いたものです。

映画「この世界の片隅に」において...。

往事の姿をオマージュしたシーンを発見した時、現代にいたる日本独自のアニメの...その源泉なんだなと...。

長生きされた分、悲しみも...やはり東映動画時代の後輩でもあった高畑勲さんの死への想いでしょう。

弔辞の「そんなはずないっていう思いで、悔しくて悔しくてしょうがない...」という痛切な心の叫びが心に響いてきて、私もやりきれない想いがしました...。

公の場にお姿を現したのはこの時が最後に...その後は叶精二さんによる近況報告を拝見し、お元気そうだし、穏やかな老後生活を送っていらっしゃるなぁ...と。

この世から旅立たれ、今頃は高畑さんや東映動画時代の先輩・後輩と再会し、楽しく昔話に花咲かせているのかな...。

お疲れ様でした。言葉では言い尽くせない沢山のものをいただいて、本当にありがとうございました。

ご冥福をお祈りします。安らかにお休みください。

合掌。