事務局 星です。
昨日は川口地区に糖尿病予防教室の運動指導に行って来ました。
4回教室の2回目でこの日は、
栄養指導で個々に適性カロリーを算出して食品を6群に分けました。
そして1日の食事量を具体的にイメージしてからの運動指導でした。
糖尿病の運動療法で注意したいのは、
「食事療法がおろそかになったぶんを、運動してエネルギーの消費でとり返そう」
とする考え方は、基本的に間違っているという点です。
そもそも運動によるエネルギーの消費量自体、それほど大きなものではありません。
ごく普通に20分程度歩いて、エネルギーの消費量はようやく80キロカロリー程度です。
生活習慣病を予防し、また体力の低下を防ぐためには、
エネルギー消費量が1日に300キロカロリー程度の運動が必要と言われていますが、
300キロカロリーならウォーキングでおよそ1時間半、
ジョギングに換算すると30~40分程度の運動が必要になります。
これを毎日ずっと続けるのが大変なことは、容易に想像がつくでしょう。
糖尿病の食事療法も毎日の話ですから、
いかに気をつけているにせよ、時おりどうしても、
食べ過ぎたり飲みすぎたりする状況が出てきます。
(どんな方でもそんな時がありますからね)
このようなときの余剰カロリー分も含めて、
運動療法だけで何とかしようと思うこと自体に、
そもそも無理があります。
かといって、食事療法だけでもまた効率が悪いことになります。
治療効果が長期的に下がってくることを指摘する専門家もいます。
最初に萎縮しはじめるのが脂肪でなく筋肉であるため、
筋肉が刺激を受けない状態が長く続くと、身体のブドウ糖利用の効率が下がってくるので
運動は必須といえます。
そして食事療法でも運動療法でもどうにも効果が乏しい状況のときには、
投薬によってトータルの治療効果があがるように持っていくわけです。
糖尿病の治療はあくまで、食事療法を中心に据えて必要な運動を行い、
状況に応じて投薬による治療をプラスする考え方になります。
次回は個別指導です。 またがんばってきますよ