私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

ブルービゼンのふくら雀香合

2015年01月24日 | 時空を超えて来たものたち

これは骨董市で見つけたふくら雀の香合
初めて見た時、その雀は小首をかしげてこちらを見ていた。
愛らしいまなざしで何か語りかけてくるような、
今にも「チュンチュン」と寄って来そうな雰囲気だった。

* ・ * ・ *

ふくら雀は、厳寒の頃、寒さをしのぐために羽毛を膨らませた雀のことをいい
そのぷくぷくとした姿から「福来雀」や「福良雀」などの縁起の良い字を当ててもらっている。
この雀も、まりのように膨れていて、小さいけれど充分に福を運んで来てくれそうである。

* ・ * ・ *

普通、備前焼と言えば茶褐色を思い浮かべるが、これは青灰色をした青備前と言われるもの。
店主の話によると、江戸後期に焼かれたもので、今ではこのような色を出すのは難しいとのことだった。
そして、現代の作家さんでも焼く人はいるが、焼く時のリスクが高くロスも多いので、作品としての数は
非常に少なくて、数ある焼物の中でも稀少なものだということだった。

この香合は表面がとても滑らかで硬くて、石を彫ったような美しさがある。
それと、灰色に青と緑を混ぜたような複雑で深みのある色合いも魅力的だし、
小さいけれどずっしりとした重みがあって結構な貫禄が感じられるところも良かった。
店主の話を鵜呑みには出来ないが、なかなか良い出会いだったと満足している。
結局、骨董品の良し悪しは誰にも責任はなくて、自己満足でいいのだという結論である。




これは100円で買った桐箱

同じ店でちょうどよく、桐の小箱を売っていた。
香合を入れるとぴったりだったのでついでに買って帰った。
この蓋に「青備前 福来雀」と達筆で表書きがあれば
どれほど立派になることだろう。


コメント
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