熊野大花火の送迎バスの出発は18時30分、夕食の後いったん部屋に戻り、準備をして集合場所に向かいます。
天気は回復傾向で、大丈夫そうです。
この大型観光バスがほぼ満員でした。
この花火大会が延期になったのは三十数年ぶりということで、宿のスタッフや関係者の対応もさぞ大変でしょう。
ちなみに今日も中止になった場合の予備日は19日、ではなく24,25日ということで、これは花火師の都合によるものだそうです。
22日には大曲の花火大会があるので、その辺の関係もあるのかもしれません。
バスの中では案内の方が案内、注意事項のほか熊野大花火についていろいろな知識を話してくれます。
送迎だけではなく、今回は何と席も確保してもらえたのとのことで、非常にありがたいことです。
送迎バスは渋滞に巻き込まれることもなく、JR熊野市駅の裏側に到着します。
この日はJRも多数の臨時列車が運行されています。
多分、通常熊野市に来る運用はないはずのキハ75系。
熊野市駅の跨線橋を渡ります。
夏休み中ということもあって、案内等、地元の高校生がかなり動員されています。
キハ85系の臨時列車が到着。
これは昔の熊野古道だそうで、なかなか雰囲気のある道です。
熊野市は、紀伊半島東岸のリアス式海岸が終わるところにあり、その南側が七里御浜という長い浜になります。リアス式海岸の終わりが鬼が城で、熊野大花火は、ちょうどこの境目、鬼が城を望む七里御浜で行われます。
熊野市駅から15分ほど歩いて会場の海岸、七里御浜に到着。堤防の下の通路を通り、浜に出ます。
場所は、観客席の鬼が城寄りで、最前部に近いかなり良い場所です。
この場所は砂ではなく砂利で、しかも最近の雨続きで湿っており、敷物は必須です。立ち見を想定していたので敷けるようなものを持って行かなかったのは失敗でした。
客席は結構空きもあり、やはり延期の影響があるようです。後で発表された記事によると今年の観客は7万人ということで、16万人だった昨年の半分以下です。
熊野の花火は300年の歴史があるといわれていますが、新精霊供養のため神社の境内で行われたのが始まりだそうで、他の納涼花火大会とは成り立ちが異なります。
なので、今でも初精霊供養の灯籠焼きとか、個人あるいは団体による追善供養の花火が多く挙げられるのが特徴です。当然、お盆が明けてから出ないと実施はできないので、毎年8月17日に行われます。
もう一つの特徴は打ち上げが海上あるいは民家のない鬼が城ということで、豪快で大掛かりな仕掛けが多いことです。
特に有名なのが、全速力で走行する船から火のついた花火玉を海中に投げこむ「会場自爆」、直径約90㎝、250kgの三尺玉を海上の筏にセットして爆発させる「三尺玉会場自爆」、そして世界遺産鬼が城で行われる「鬼が城大仕掛け」です。当然ですが、世界遺産に花火を仕掛けるのは世界で唯一です。
海岸で行われる花火大会のため、クルーズ船も多くやってくるとのことで、この日も延期されたにもかかわらず2隻のクルーズ船が沖合に停泊していました。
まだ明るさの残る中、いよいよ熊野大花火が始まります。
最初に簡単な打ち上げ花火が上がり、
大会本部長あいさつの後、灯籠焼きが行われます。
この後本格的に打ち上げ花火が始まりますが、真上を見上げる感じで、上から降ってくるようです。
もう一つこの花火大会ですごいのは音で、打ち上げの音に加え、鬼が城で反響した音も加わり、体の芯に響くような迫力です。
いつの間にか、天気は完全に回復し、星空が広がっています。ただし風がほとんどなく、花火の煙が残ってしまうのがちょっと残念なところです。
しかし、花火大会としてはかなり良い条件に恵まれたと思います。非常に蒸し暑いですが。
<その8に続く>