「海遊 能登の庄」の夕食です。
今回の夕食は囲炉裏のある個室を案内されました。4月末とはいえ、夜はかなり冷え込むので、囲炉裏の火はありますが、足元はホットカーペットになっています。
メニューはこんな感じ。かなり品数が多いです。
まずは先付。使用される器は、塗り物は当然すべて輪島塗です。陶器も九谷焼と思われます。
左下の器:能登ふぐ皮コラーゲン寄せ。薄目の味付けですが、最初からこれが非常においしいです。
フィルムが載せてあるのが手綱寿司。中央が若草豆腐。陶器のミニグラスの中が芽かぶ・つぶ貝の能登ワインカクテル。味の想像がつかないかもしれませんが、要するに貝のワイン煮に芽かぶをかけたものです。
舟形の器中央が穴子八幡巻き。その横がゆべしカマンベールチーズ。その手前が舳倉島産はばのり。百合根市松流しは羊羹のような感じです。
能登の地酒も種類が多くそろっています。ただ、能登の地酒に詳しくないことと、チェックイン時に部屋で注文するシステムであること、お品書きと担当の人の説明が異なっている等の理由により、何を注文したのかが不明という結果になりました。
普通においしい日本酒です。最近ではどこに行っても日本酒のレベルは上がってきており、まずはずれはありません。
このいかにも高価そうな器に入って出てきたのは、小吸物:能登ふぐ 若筍清し仕立て 関山桜。
麵のように見えるのは筍の千切りです。オーソドックスな味付けですがおいしいです。
続いて御造里。海鮮六種盛り。マグロ、カンパチ、ウニ、鯛、甘海老、のどぐろ、サヨリ。あれ、7種ありますね。これで一人前です。
量、質ともに過去に宿泊した宿の中でも最高レベルです。
続いて焼物。国産ロース牛石焼き。これも結構なボリュームです。
囲炉裏の火で石板を加熱し、牛肉を焼きます。よくある固形燃料に比べ火力が強いため、よく脂が落ちて全然しつこくありません。当然肉自体もよいのですが。
通常、牛肉はメインで料理の最後に出るところが多いですが、ここではまだまだ続きます。
最後に牛肉が出てくると、すでに満腹で無理やり食べるような状況になるので、その辺を考慮した順番なのかもしれません。
続いて進肴。魚介を炭火で焼いて。
ハタハタ一夜干し、さざえ、茄子、椎茸、べん漬け大根、ぼたん海老串焼き。
べん漬けは能登名物のいしるで漬けた物です。
椀物、鯛治部煮。茄子、すだれ麩、蓬麩、胡麻風味仕立て。
治部煮は石川県の郷土料理ですが、鴨の代わりに鯛、胡麻風味で冷汁になっているなど、一味変わった一品です。
凌ぎ 冷やしなまこうどん。麺になまこが練りこんであるとのことですが、あまりよくわかりません。
酢の物 ほたるいか 能登ふぐ 鯵のエスカベッシュ 梅酢。
御飯は能登コシヒカリ。味噌汁は神馬草 めぎす 酒粕仕立て。
デザートは大納言ゼリー メロンクリーム。和風のゼリーの上にパイナップルとりんごの赤ワイン煮と大納言小豆、さらにメロン味のソースがかかるという和洋取り混ぜた不思議なデザートですが、味として見事にまとまっています。
「海遊 能登の庄」の夕食は品数が多いだけでなく、魚介の鮮度は申し分ありません。料理もひと工夫ありながらよくまとまっており、非常にレベルは高いです。
さて、夕食の後、御神乗太鼓を見に行きました。輪島のキリコ会館前で公演が行われ、宿からマイクロバスで送迎してくれます。
今日が今年の初回ということで、土日と夏期を中心に135回公演を行うとのことです。
御神乗太鼓は、奥能登平定で能登半島の名舟村に攻めてきた上杉謙信軍に対し、村人たちが木の皮のお面に海藻の頭髪をつけ、太鼓を打ち鳴らしながら夜襲をかけ、上杉軍を撃退したことが由来といわれており、御神乗太鼓を打てるのは名舟出身の者だけということです。
異形の面の男たちによる激しい動き、細かいリズムで常に打ち続けるスタイルは迫力満点、本当に異形の者たちがこの世に現れたかのような感覚になります。これはぜひ一度見るべきと思います。
これを毎日行うのは非常に体力的にきついと思います。これほど素晴らしいものを見せてもらえることに感謝しなければならないと思います。
<2日目に続く>