けっこう賛否・・・というか
単純に好き嫌いが真っ二つになっているようです。

「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」57点★★★



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音楽家のナセル・アリ(マチュー・アマルリック)は
死ぬことにした。

大切なバイオリンを壊され、
替わりの楽器が見つからないからだ。

そして彼は死ぬまでの8日の間、
自分の人生を振り返る。

そこには、決して戻らない
ある恋の思い出があった・・・。



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自伝的コミック「ペルセポリス」を
見事なアニメーション映画にして
世界を驚かせたイラン出身のアーティスト、マルジャン・サトラピ。


彼女が自分のコミックを
今度はマチュー・アマルリックを迎えて作った
初の実写映画です。

クセ者役者に、クセ者な監督。
幻想的なムードは悪くないし、
とぼけた笑いや、シニカルさもある。

なんだけど、とにかく後半まで話の手がかりが少なすぎて
繋がった物語としての面白味にかけるんですねえ。

ただ
視覚表現には優れた部分が多くて印象的だった。
「ため息をつかまえる」「魂が煙となる」シーンなんて、すごくいい。


8日間のうち、ラストは怒涛の展開で
きちんとまとめはしてるんだけど
うーん、やっぱりこの盛り上がりをバランスよく
全体に配分してほしかったなあと。

ただ
この映画、音楽家や作家さんなど、
アーティストにはめちゃくちゃウケがいいそうです。

現在発売中の「週刊朝日」(11/16号)おなじみ「ツウの一見」でも
山崎ナオコーラさんが、本作のよさを語ってくださって、
お話聞きながら
「そういう見方があるのか・・・」

見る人を選ぶ映画が、あったっていいんですわね。


★11/10(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開。
「チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」公式サイト