久々に珍しいタイプの映画。

なんていうんでしょうか
ガロっぽいというのか、つげ義春のような、というか。

「カミハテ商店」63点★★★



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山陰の小さな港町。
まるで地の果てのような
寂しいその場所は
その名も“上終(カミハテ)”という。

そこにただ一軒ある「カミハテ商店」では
初老の店主(高橋恵子)がひっそりと暮らしている。
そこを訪れる人々は
みな彼女の焼くコッペパン

崖のほうへと歩いて行くのだった――。

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かなり独特のリズムで、余白も多く
久々に出会うタイプの映画。
林海象プロデュース、で
ちょっと納得しました。

山陰の山奥、「上終(カミハテ)」を
訪れる自殺志願者らしき人々。
みなカミハテ商店のコッペパン

どこかへと消えていく。


そして
翌朝、彼女は崖上に空き瓶と靴を回収にいく……

なんつうシュール!(苦笑)

限りなく億劫そうな高橋恵子氏も
なかなかド級のどんずまり感

そして暗~いムードながら、
どこかにヘンなおかしみがあるんですねえ。

妙にフッと力が抜けるのは
アコーディオンとパーカッションによる
独特な音楽の効果もあるでしょうね。

正義も何も言わない。

ただそこで起こる物事を、静かに朗々と描いたことが、
いろいろ考えを巡らせ、深めさせます。

しかし
カミハテ商店もだけど
人々を“果て”まで運んでくるバスの運転手さんも

相当に「背負ってる」よなあ

★11/10(土)からユーロスペースほか全国順次公開。
「カミハテ商店」公式サイト