ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミラクルツインズ

2012-11-09 23:50:40 | ま行

臓器移植について
考えさせるドキュメンタリーです。

「ミラクルツインズ」61点★★★


肺が正常に機能しないCFという難病を持って生まれた
双子の姉妹アナベルとイザベル。

臓器移植によって命を救われた二人が
その体験をすべて話すドキュメンタリー。

二人は苦しい治療を続けながら
スタンフォード大に通ったりする才女でもあり

いまはその経験を語ることで
臓器移植について考えて欲しいと活動している。

この映画にも
理解と協力を促す広報的な意味合いもあると思います。


姉妹は日系ハーフのアメリカ人なので、
おのずと映画のテーマは移植後進国・日本の状況と問題になり
興味深い。

シャボン玉を吹く映像が出てきますが
そこには

我々が無意識にできる
呼吸のできるありがたさを感じさせる意図があるとわかり
ハッとさせられます。

臓器移植を待つ人々の言葉も
すごく考えさせられるものだった。

「結局、自分が助かるために、人の死ぬのを待っているんじゃないか?」
と葛藤する患者の言葉は
普段は聞くことがないもので、やはりハッとします。


いっぽう、臓器提供をした家族の言葉にも刮目させられるというか
事故死した娘の臓器を提供した父親が
移植をしたことで
「娘はいまも生きている」という言葉にはぐっときました。


姉妹の移植に関するエピソードの構成がよくなく
少々、時系列がわかりずらいのが残念ですが

臓器移植をどう捉えるのか、
あなたは提供者になるのか、家族は、自分の子どもならどうか?

そうした問いかけと、重みは
見終わっても続いていく。
それって必要なことと思います。


★11/10(土)から渋谷アップリンクほか全国順次公開。

「ミラクルツインズ」公式サイト
コメント
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