ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

人生の特等席

2012-11-19 08:59:09 | さ行

ラストの盛り返しと
エイミー・アダムスのキャラで加点!

映画「人生の特等席」71点★★★★

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メジャーリーグ最高のスカウトマンと言われた
ガス(クリント・イーストウッド)。

データ重視のスカウトマンが多いなか
地道に球場に足を運んで、選手を観察する主義を貫いている。

しかし歳を重ね、
最近はさすがに体力の衰えを感じることもしばしば。

しかも、目が見えにくくなっていた――。

そんな父を心配する
一人娘のミッキー(エイミー・アダムス)だが

父と娘の間には、微妙な距離があり――。


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監督のロバート・ロレンツは
「インビクタス/負けざる者たち」や「ヒア アフター」などの製作を務め、
20年の間、クリント・イーストウッドと組んできた人物。

「もう俳優業はしない」と言っていたイーストウッド氏ですが
今回はそんな盟友の初監督作に
胸を貸した、というところでしょうか。

大リーグのスカウトマンを題材に
老いの現実や世代の確執、
父と娘の無器用な絆・・・などを盛り込んだ
“王道”ドラマで

伏線の張り方とか
もっとサササッと効果的にできないか?とか
まあ多少のひっかかりもあるんですが
ラストで盛り返してくれて、逆転です。

しかし
イーストウッド氏は82歳。

ぶっきらぼうで口悪く、目も悪く
カッとなりやすい“暴走(ぎみ)老人”は板に付いていますが
(加齢黄斑変性は、早くお医者さんに行った方がいいですよ~

さすがに最初は
「彼が現役のスカウトマン?
(ポンコツすぎね?)」と、無理な気もした。

そこを補ってくれたのが
娘役のエイミー・アダムス。

父に連れられて少女のころから球場で育ち
男社会に揉まれて育ったタフなしっかり者。
しかも野球に詳しいという

快活なキャラが、よかったです。

なんつうか父娘の物語は
母娘のそれよりも
スッキリ爽やかでいい。

自分を振り返っても、そんな気がします。


★11/23(金・祝)から全国で公開。

「人生の特等席」公式サイト
コメント (2)
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