新しい才能が出るので
見逃せない韓国バイオレンス系。
でも
痛い痛い合戦になっちゃうと
困るんですよねえ。
「ビー・デビル」38点★★
ソウルの銀行に勤める
独身キャリアウーマンのへウォン(チ・ソンウォン)。
ストレスフルな日々に疲れた彼女は
子ども時代を過ごした島で
休暇を取ることにする。
そこは住民たった9人の孤島。
島に降り立ったヘウォンを迎えたのは
幼なじみのキム・ボンナム(ソ・ヨンヒ)。
島で結婚し、娘もいる彼女は
少女時代のままに人懐っこく
へウォンにまとわりつく。
だが彼女は実はこの島で
地獄のような日々を過ごしていた。
そして、ある日
ついに悲劇が起こる――!
ポスターからしてスゴイので
相当な衝撃かと身構えたら
思ったほどではなかった。
いや、痛いシーンはかなり衝撃的なんですが
なんか物足りない。
いや
かなりすっきりしない。
大筋のストーリーや展開の
読みはハズれてなかったけど
まず
いたぶられる女が
いたぶって欲しい女と違った(笑)
いたぶられるのは
島に残った女で
主人公(一応?)のツンとすました都会の女は
常に傍観者を決め込み、
決して汚れないんですよ。
気にくわない~~(笑)
それに惨劇が起きるまでが長くて
「もういいから、キレたれ~」と
こっちが背中を押したくなりました。
そもそも血肉が苦手なのに
韓国バイオレンス系を見る理由はひとつ。
「オールド・ボーイ」のような大当たりを
見逃したくないから。
しかし相手もそれが
わかってるんだなあ、もう。
監督のチャン・チョスル(1974年生まれ)は
日本での語学研修中に
キム・ギドク監督の映画に出会い
即座に帰国。
弟子にしてくれと通い詰め
とうとう助監督になったそう。
そして本作が
これが長編デビュー作。
こうした若手監督たちは
先輩に挑む思いで挑戦してるんだとは思うけど
思いが先走りすぎているのか
はたまた「衝撃度」の意味を勘違いしてるのか
どれだけ痛いか合戦
みたいなことになってたり
無意識のうちでも
「こんなセンで、どう?」という
レールに乗ってる感じがすると
こちらは興ざめなんです。
ぜひ自分なりの表現を開拓し
バイオレンスの必然性を
見せて欲しいですね。
★3/26からシアターN渋谷ほか全国順次公開。
「ビー・デビル」公式サイト