喫煙は今では完全に「悪しき習慣」のように扱われていますが、80年代の喫煙率は相当なものでした。町中至る所にタバコの自動販売機があり、禁煙の喫茶店を探すなんて至難の業。20歳の禁煙なんて言葉があったほど、男の子はカッコつけて喫煙したし、可愛いあの子もファッションのように手を出したこともある。TVドラマや映画の中でも、み~んなタバコを吸っていたし、TVのタバコのコマーシャルもハリウッド俳優まで使い、雑誌の裏表紙はタバコかウイスキーの広告といった具合に、世の中タバコだらけでした。
初めてタバコを吸った時の感動は忘れられない。でも、今では習慣になってしまい面白く無い。そんな時に行くのが、「梅田たばこサービスセンター」でした。写真は駅前第一ビル1Fのお店。看板が「日本専売公社」となっています。(笑)梅田以外にも、千里中央、神戸大丸、京都大丸、虹のまちにもありました。
ここには当時、洋モクのフィルターたばこだけでも78種、国産でも36種類のたばこを置いてありましたので、知らないタバコだらけ。いつもの銘柄を離れて未知なるタバコで、新鮮さを取り戻すなんてことを考えた人が多かった。
手作りパイプ用の素材も置いてあり、第1、第3土曜日には無料の教室が開催されて教えてくれていました。
既製のタバコでは物足りないという人は、ハッカをフィルターにしみ込ませて即席ハッカタバコにしたり、アパラギをしみ込ませてインドタバコ然にしたり。インド風タバコを楽しみたい人は、写真のアパラギとランバージャックのペアがベストでした。
映画を観てかぶれた人には、このエスタードという名前のタバコ巻き機も流行。英語辞書のページを破った紙で、タバコを巻くなんて人も大学時代には周囲にいました。(笑)器用な人はタバコの紙をスッと舐めて、その場でタバコを巻いて火をつける・・・なんて強者もいました。
昔はこういうお店の紹介には・・・
必ず綺麗な女性店員さんの写真も、雑誌などでは掲載されていましたね。今と違って世の中が大らかで、やれプライバシーだ、個人情報だと目くじらを立てなくても平和な世の中でした。雑誌には文通募集コーナーがあり、そこには住所・氏名が堂々と掲載されていましたし、卒業アルバムにも生徒の住所・氏名・電話番号も掲載されていました。NTTの電話番号調べのサービスも、普通に使われていました。
今は世の中が便利になって、法整備も進んだのに、陰湿な犯罪やストーカー行為が増えました。人間が馬鹿になるのが止まりません。