青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

大阪の中心 ~地盤沈下も土地は高騰!

2023-06-13 | 昭和・懐かしい大阪の風景

大阪・梅田にある「曽根崎警察署」。落とし物を届けたり、迷子をここに連れて行ったりと、半世紀以上大阪で暮らしていると、何度かお世話になりました。まさに梅田の番人なのですが、案外ここの建物を見たことが無い人は多いと思います。目にするのは、地下街ホワイティうめだと連絡する「コミュニティープラザ」。つまり地階にある府警の広報拠点ではないでしょうか?

右の階段を上がれば、かつては「旭屋書店の本店」に通じていましたし、東に行けば泉の広場、西に行けば阪神電車~JR大阪駅と、まさに梅田のど真ん中。僕はここでよく友人たちと待ち合わせをしたものです。梅田のど真ん中でも事件は起きます。

かつてはニューOS劇場・阪急ファイブが並ぶ路上で殺人事件がありましたし、阪急百貨店やグランドビル前の目抜き通りでも、柱の陰から出て来た犯人が人を刺す事件がありました。そんな場所で・・・と、怖くなった人も多かった。また、この曽根崎警察署で取調べ中の容疑者が、何階かの窓から逃走する事件もありました。しかし、大阪で1番安全な待ち合わせ場所ではないでしょうか。地階にはいろいろと役に立つ情報や知識を得ることが出来る、僕ら一般市民のためのスペースが設けられています。

これは昭和42年(1967年)5月の、曽根崎警察署の御堂筋に面した正面入り口の写真です。鉄筋コンクリート5階建ての「スクラッチクリンカータイル張り」。斬新な外観と構造が、当時としては珍しかったので「東洋一の警察署」と言われ、見物人が後を絶ちませんでした。

地盤地下で庁舎が傾き、現在に至るまでに何度か建て替えられています。そしてこれが、現在の同じ場所から撮影した写真です。大阪梅田・・JR大阪駅前もそうですし、大阪駅自体もそう。そして中の島もそうですが、地盤沈下のせいでいろんな建て替えが行われたことを知らない人は案外多いようですね。

もともと低湿地帯であったJR大阪駅~阪急梅田駅周辺の地盤は、地下20~30mまでが粘土層で豆腐のようなもの。大阪駅でも、駅の東端で最大1.8mも沈下。現在のヨドバシカメラ前の土地が一番落ちました。

大阪駅を歩くと、スロープやちょっとした短い階段の多いことに気が付きませんか?それは、かつての地盤沈下の痕跡です。

駅構内にこんな短い階段やスロープが、不自然なほどにあちこちにあります。それが全て地盤沈下のせいなのですから、よくこれまで大きな事故が無かったものだと感心します。しかもこの大阪駅周辺が、大阪で1番土地の値段が高いのですから驚きです。