音楽プロデューサー、作曲家として活躍したクインシー・ジョーンズ氏3日、米ロサンゼルスの自宅で死去したことが分かりました。91歳。本当に残念です。僕が過ごした青春時代を通じて親しんだ人々が、次々とお亡くなりになられます。そういう時代になったということなのでしょうが、訃報を聞くたびに、寂しさを感じます。
1982年にプロデューサーとして手がけたマイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」は「史上最も売れたアルバム」としてギネス認定され、米音楽界最高峰とされるグラミー賞では3度の最優秀プロデューサー賞を受賞するなど多くの賞を受賞。また、1985年に発表されて世界的大ヒットとなったチャリティーソング「ウィー・アー・ザ・ワールド」のプロデューサーも務めました。
マイケル・ジャクソンや「ウィー・アー・ザ・ワールド」ばかりが取り沙汰されますが、僕がクインシーを知ったのは、映画音楽からでした。『夜の大捜査線』や『ゲッタウエイ』のサウンドトラックは大好きでしたし、テレビドラマの『鬼警部アイアンサイド』は「新聞によりますと・・」で有名なTV番組「ウィークエンダー」で使われたので、皆さんもご存知だと思います。
そして、エミー賞9部門など数々の賞を獲得した、全米で1億3000万人が視聴し、社会現象をも巻き起こした伝説的TVシリーズ『ルーツ』のサウンドトラックも担当。僕はこのサントラも買いました。自身の作品でも数々のヒット作を残し、1978年にはファンキー・ディスコ調の『スタッフ・ライク・ザット』がポップ・チャートでもヒット。
そして、1981年の来日コンサートには僕も足を運びました。「ルーツのテーマ」「鬼警部アイアンサイドのテーマ」を始め、「ジャスト・ワンス」や「愛のコリーダ」も聴くことが出来ました。
僕が推薦する彼の作品は2枚!“ニューヨークのため息”と称されたハスキー・ヴォイスの歌姫による最高傑作、夭逝した伝説のトランペッターとのいつまでも色あせない名演である「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」。そしてもう1枚は81年の大ヒットアルバム「愛のコリーダ」。「愛のコリーダ」は当時ディスコでもガンガン流れていましたが、ジェームス・イングラムの「ジャスト・ワンス」は美しいボーカル曲。最高の1曲はハーモニカの天才トゥーツ・シールマンスの「ヴェラス」でした。米国ポピュラー音楽のボスが放ったメガ・ヒット作。ディスコ~ファンク~ブラジル音楽~ジャズが融合した究極のアルバムはぜひ聴いて頂きたい!