「サーカス」・・僕は子供の頃、2つのイメージを持っていました。
まず、空中ブランコやライオンの火の輪くぐり、愉快なピエロ。これはアメリカ映画から得た知識が基になっています。もう1つは、「言うことを聞かないと、サーカスに売り飛ばすよ」と、大人が子供に言うイメージ。こちらは古い邦画や舞台からの言葉でした。
このイメージに関わらず、サーカスというものを1度は見たいと願っていました。「サーカス一座」という言葉は、海外の小説や映画や歌詞には付きもので、頻繁に耳にしたからです。
70年代初め小学生のある日、TVでサーカスのCMが流れました。「見たい!」心からそう思い、両親に連れて行って欲しいとねだりました。
それが「木下大サーカス・ショー」で、昨日記事にした「宝塚ファミリーランド」にやって来るというのです。当時僕の家では読売新聞を購読していたのですが、そこが宝塚ファミリーランドやエキスポランドの入場券を定期的に配っていました。そのチケットで、無料で観に行くことが出来たのです。
猛獣使い、ピエロ、映画の中で見たショーの数々を、目の前で観ることが出来た僕は、本当に興奮しました。
そのクライマックスは「空中ブランコ」でした。ネットを張ってはいたものの、落ちたら死ぬんじゃないかと怖かったし、物凄いスリルと興奮を経験しました。
そして、球体の中をバイクが雷のような音をたてて、上下左右を立体的にグルグル回るショーも目玉の1つでした。ただ、残念ながら当時の僕は、このショーの凄さが理解出来ていませんでした。遠目に見え難かったこともあり、空中ブランコが僕の1番のお気に入りとなりました。
僕は無料券をもらい、この時にもう1度。そして違う年にも行っていますので、人生で木下大サーカスは4回観たと記憶しています。宝塚以外の場所でも観た記憶があるのですが、それが和歌山だったのか、エキスポランドだったのかは覚えていません。
今の若者や子供たちは、あのサーカスの熱気を知っているのでしょうか?バーチャルの世界や映像で見るのと、目の前で観るのとは全く違います。1人でも多くの子供たちに、サーカスを目の前で観て欲しいと思います。