FM雑誌には必ず付いていた、カセット・レーベル。
雑誌「FM fan」や「週刊FM」の付録レーベルは、「こんなデザインのものを、自分のお気に入りのカセットに使う人がいるの?」と思うような絵やデザインのもの、今で言う著作権フリーのどこにでもあるような景色の写真が主流でした。
ところが後発の雑誌「FM STATION」は違いました。今となっては80年代を代表する鈴木英人氏のイラストを、表紙やカセットテープ・レーベルにしたのです。これでFMオタク以外の層も、FMに参入!雑誌の売上は伸びました。
ところが、更なるFM黄金時代の到来・・とはなりませんでした。
結果的には一般リスナーが、曲を頭から最後まで流すスタイルよりも、情報やDJのお喋りを求めたせいで、FMも民放ラジオと同じように、曲が途中でDJトークに切られたりして、マニアの録音向きではなくなってしまい、エアチェック文化の崩壊を呼んでしまいました。
しかし、街で広がったレンタルレコード、レンタルCDも、マニア向けや海外アーティストのレンタルは不可だったりして不便を感じている間に、ダウンロード、配信と音楽文化のあり方はどんどん変わり、高音質な無料視聴の方法や楽しみは70~80年代のような繁栄を失い、TVから音楽番組が消え、大勢が1つの楽曲を聴く機会が失われました。結果、昔のように年齢を問わず誰もが知る本物のヒット曲や、時代を代表するヒットが生まれなくなりました。
ラジオ~FM放送の黄金時代に流行した、懐かしい鈴木英人氏のイラスト・カセットレーベル。まだ持っています。