やっと涼しくなって音楽を聴く気になった。
そこで取り出して来たのが、小澤征爾指揮・サイトウキネンオーケストラによるブラームスの「交響曲第1番 ハ短調 作品68」である。
音源は、2010年12月14日、ニューヨークカーネギーホールでの演奏会でのものである。
指揮者の小澤氏は同年1月、「食道癌が発見されたので、治療に専念したい」としてすべての音楽活動をキャンセルしていたが、この演奏会は、癌を克服してカムバックした直後でもあり、「奇跡のニューヨークライヴ」と評判になった。
ティンパニーの強打を伴う厳粛な出だしから終章の歓喜のコラールへと緊張感あふれる演奏は、カーネギーホールの聴衆を感動の渦に巻き込んでいく。
コンサート前半に演奏されたベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番(ソリスト:内田光子氏)など2曲の指揮は、下野竜也氏が担当したという。(CDに収録されているのは、ブラームスのみ)DECCA UCCD-9802