近着の「山と渓谷」4月号に興味深いデータが掲載されている。
加齢に伴う運動能力の変化を表わしたグラフである。
これは、熟年世代の登山者が増えていることから、その体力面での衰えを直視して欲しいということなのだが、これを見て愕然とした。
つまり、筋力にせよ持久力にせよ、年齢とともに衰えることは理解していたが、特に、バランス能力の低下がこれほどとは思わなかった。
ただ、昨夏、秋田駒ケ岳に登った際、往時に比べバランス感覚が随分悪くなったなと感じたのだが、これを見て納得した。
一抱えもある石がゴロゴロ横たわる谷筋の道を歩く際など、バランスが悪いために身体がよろけ、非常に苦労したことを覚えている。
同誌によると、こうしたことが、熟年登山者の転落や滑落の原因となっているというから怖い話ではある。
これは、本人の自覚以上のものがあるので、日常生活においても「要注意」である。