諸田さんの「お順~勝海舟の妹と5人の男」を面白く読んだ。
「サンデー毎日」連載(2009年8月~2010年8月)上下巻600頁の大作。
物語~結婚を間近に許婚者と死別した勝海舟の2番目の妹「お順」は、親子ほど歳の違う佐久間象山に嫁いだ。天才を自認する象山の世継ぎを為すことを求められての結婚であったが果たせず、象山も非業の死を遂げる・・・。
勝海舟という類まれな資質を持ち、下級幕臣から海軍奉行という大名並みの地位へ上り詰めた兄とともに、激動の世を生きた「お順」とは何者だったのか。
そういう未知への興味もあって面白く読んだ。
ただ、前編中頃までの生い立ちの記は、家族・人間関係が複雑で難儀した。象山と結婚するあたりから俄然面白くなる。