こんな全国民にかかわる重要な問題を、一体「いつ」、「誰」が決めたのか。
マイナ保険証についてである。
政府は、来年秋口までにすべての国民から健康保険証と取り上げ、マイナンバーカードに統合するという。
しかし、ちょっと待ってほしい。
健康保険証は、国民皆保険制度に基づいて、保険料の支払いの対価として国民に等しく「発給」されるものである。
他方、マイナンバーカードは各自の「申請」がベースとなっていて、取得しないことで生じる不便さを厭わない人は、申請・保持する必要はない。
この性格の異なる二つの制度を合体させれば、その間に齟齬が生じることは自明ではないか。
それは、単に誤入力があったという問題に矮小化される問題ではない。
本件、常に政権寄りの報道に終始する「読売」や「産経」までもが、社説等で再考を促している。
岸田首相も、最近ようやく政権の存立を脅かす問題との認識に至っているようだが、鈍感にもほどがある。
一度、立ち止まって再検討すべきではないか。イラストは「週間新潮」6月29日号からお借りしました。