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秋晴れに恵まれた午後、テノール歌手によるリサイタルがある場所で開かれました。
緩やかに大きく波打つ屋根と、池の前に広がる全面ガラス張りの開放感のある建物
が特徴です。
この建物の周りは,なだらかな山が取り囲み、広い芝生の真ん中には大きな池が静
かに水をたたえていました。
里山と池に挟まれた敷地に浮かび立つ白い曲面の屋根??
この波打つような屋根と,その下の特徴ある円柱はどこかで見たような???
そう、たしかスペインの有名な建築家だったガウディの建物に見られる曲線に良く
似ているではありませんか??
外側からながめると,その屋根は大空にふんわりと浮かんだ雲のようにも見えます。
ここはいったい何処でしょうか???

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開始時間にはまだ大分時間がありましたが、三々五々人が集まり始めました。
建物の前面に広がる大きな池の向こうは、なだらかな裏山へと繋がっています。
建物からはピアノの音と共に練習する今日のテノール歌手の方の素晴しい声が
漏れてきました。いよいよ開始時間!!
日本を代表するテノール歌手、中鉢 聡さんのコンサートの始まりです。
しんと静まりかえったホールに素晴しい第一声が鳴り響きます。
その声の素晴しさにただただ圧倒されました。
プッチーニの歌劇「トゥーランドット」の““誰も寝てはならぬ””は圧巻でした。
大きなガラス窓が砕け落ちんばかりの歌声が、天井いっぱい鳴り響きます。
オペラ曲の間に日本の歌曲も数曲。でも楽しい時間はあっという間。
ユーモアを交えながらのテノールリサイタルは,素晴しい余韻を残し終了となりまし
たが、素晴しい歌声がいつまでも耳に残りました。

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このすばらしい会場、実はここはコンサート会場ではありません。
市が運営する斎場なのです。「え!」と思われるかもしれませんね。
私も今回初めて新装成ったこの斎場を訪れ、その建物の素晴しさに驚きました。
ここが斎場??とても火葬場とは思えない近代的な佇まい。
誰もが驚くような斬新なデザインですです。
聞けばこの建物は、公共施設などの建設で、豊富な実績を高く評価されている
建築家、伊東豊雄氏の作品で、全体構想は「静けさと自然に帰る」をコンセプトに
公園墓地と一体で整備されたのだそうです。
またこの建物は「新建築」と言う本の2006年7月号に紹介されているとか。
市長さんのお話では、全体の環境構想はイタリア、フィレンツェの丘に広がる公園
墓地をイメージされたそうです。
イタリアに留学されたであろうテノール歌手の方が「良く似ていますね」と仰ってい
ました。

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この斬新なデザインの扉の向こうは、炉前ホールに繋がっているのです。
ここにも波打つようなゆらぎと安らぎが表現されていました。
エントランスに置かれた木製のベンチもやわらかい波紋が感じられました。
なんでも色の異なる木材を積み重ねて作られた物との事でした。
円く模られた腰掛部分がなんとも優しい!!
広いエントランスホールに立っていると、ふとここが斎場である事を忘れてしまい
そう。美術館としてもコンサートホールとしても十分通用しそうです。
昨日は文化の日でもあり「友引」でしたが、市長さんのお話では今後も「友引」の日
はコンサートを始めいろんな催し物をされる計画との事でした。
そして斎場にグランドピアノがあるのも全国でここだけとか。
まさに“発想の転換”ですね。
なんだかすっかり穏やかな安堵感を覚えたのは、私だけではなかったはず・・・・・
ともすると暗く悲しいイメージになりがちな斎場が、こんなに素敵なところなんて
ちょっと嬉しくもさえ感じました。