風のたより

つれづれに

         関の「刃物まつり」

2011-10-10 | Weblog



          「関の孫六」などで知られる刃物の町、岐阜県関市の「刃物まつり」にでかけました。
          関の孫六は、室町後期に美濃国で活動した刀工として知られています。

          今年で44回を迎える「刃物まつり」の呼び物は、何といっても関鍛冶伝承館に併設されている
          日本刀鍛錬場で行われる今では珍しい古式ゆかしい刀物造りの実演がまじかで見られることです。
          この技は700年もの間受け継がれてきた正に伝統の技です。





          実演が行われる会場には、開始時間前から会場を取り囲む大勢の見学者でもう一杯です。

          会場にはすでに、白い着物に黒烏帽子姿の刀匠達が数名おり(現在18名の刀匠が登録)
          その姿が会場の雰囲気をなお一層引き締めているようでした。
          私も実演を見るのは今回が初めてです。





          いよいよ火が入れられました。
          どうやって日本刀が出来上がっていくのか皆さん興味津々の表情ですね。

          会場には報道関係者もカメラをセットしてスタンバイです。
          観客席近くの火の粉の飛び散る辺たりには、ガラス板がはめられています。





          赤々と燃えた刃物の材料の玉鋼が火から出され、刀匠のトントンと二つ打つ鎚の音を合図に
          刀匠と弟子が交互に鋼を鎚で打ち合う鍛錬に入ります。
          刀匠と弟子とのこの作業から「相鎚を打つ」という言葉が生まれたのだそうです。

          こうして何度か打つことによって鋼の中の不純物を取り除き、鋼に含まれている余分な炭素を追い出し
          鋼を均質にすることによって、やがて強い鋼が出来上がっていくのだそうです。





          さらにこの鋼は再び火に入れて焼きを入れます。
          火の温度は1500度にもなっています。





          「焼きを入れる」という言葉もここから来ているようですね。
          「鉄は熱いうちに打て」というものやっぱりここから来ているのでしょうね。





          焼きを入れた鋼を再び叩き、これを半分に折り曲げます。
          さらにこれを半分にし二層、四層、八層、、、

          半分に折って貼り付けるという折り返し鍛錬が繰り返されていきます。
          そうすることにより、最後は何万層もの鋼が出来上がるのだそうです。
          脇にいた刀匠の方からお聞きしました。

          この「折り返し鍛錬」という技は、日本刀造りの独特の伝統の技と言うことでした。
          刀造りはずいぶん奥が深いものなんですね。
          日本刀がそんな何万層もの鋼で出来ているとは全く知りませんでした。





          会場の後ろの台の上には、玉鋼から刀になっていくまでの工程が並んでいたり、刀鍛冶の
          最後の仕事とされる、出来上がった刃物に銘を入れる、「銘入れ」が行われています。
          皆さん真剣な表情で刀匠の仕事を見守っている感じですね。





          日本刀造りは、まさに繰り返し繰り返しの鍛錬なのですね。
          「鍛錬」という言葉も刃物造りから出た言葉だそうです。
          刃物造りから出た言葉、こんなにあったんですね。


          さてさて、難しいことは抜きにして、コンデジで撮ったビデオですがご欄ください。
          下手な説明より「百聞は一見にしかず」だと思います。(笑)


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