LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

感涙の日々②

2007年05月13日 | Weblog
5月12日、神戸LGBTIQプライドマーチ、晴天の中楽しく歩きました。隊列の参加者は昨年の約40人から100人以上に! 私も昨年は沿道からの応援でしたが、今年は隊列の中に入って会のメンバーと一緒に歩きました。東京や関西のパレードで歩くのは車も走っている道路の片側なのですが、これは神戸まつりへの参加なので、通行止めになった大通りのど真ん中を歩くわけです。ドラァグクイーンの持つ「神戸LGBTIQプライドマーチ」というプラカードのあとに仮装した人たちが乗る車や吹奏楽団が続き、そのあとを全国から送られたハンカチを高く掲げた参加者、最後に大きなレインボウフラッグが続きました。晴天ということもあって昨年よりもずっと人出は多く、両側から多くの人たちが見守る中を歩くのは、少々恥ずかしいものですね・・・(笑)。でもレインボウの旗を振ってくれる人だけでなく、一般の人たちまでが「がんばって~」と声をかけてくれたり、子どもたちが無邪気に手を振ってくれたのが心の底からうれしかったです。子どもたち一人ひとりの顔を見ながら「今は何もわかっていないかもしれないけれど、手を振っているあの子が、この子が当事者かもしれないなあ。それなら自分のセクシュアリティに気付く頃にこのパレードを思い出してほしい、そして自分は一人なんかじゃない、あんなに笑顔で歩いていた人たちがいるじゃないか、と誇りを持ってほしい・・」と思いながら歩きました。(考えすぎ・・?)パレードの要所要所では、去年と同じく私たちをマイクで紹介してくれました。これが感動的!!

『私達はLGBTIQ(セクシャルマイノリティ)のコミュニティ連合です。ここ神戸で、ライブ/イベント活動の楽しさの中や、HIV・AIDS性感染症予防啓発のボランティア運動を通して、さまざまな偏見と差別のない社会を目指して取り組んでいます。今回、日本中の同じ願いを抱く仲間達から寄せられた愛のハンカチの旗と、性の多様性の象徴である虹を掲げ、ありのままの自分を隠さずに、共に生きて行ける豊かな世界に向けて、笑顔で歩きます。』

この文が読み上げられると早くも涙が・・。目が赤くなるとまずい、と思って読み上げられる度に必死にこらえました(笑)。

終了後、アフターパーティー。最近はこういう場にまで、お母さんたちは参加させていただけて、はじめて目にするものばかりで勉強になります。ドラァグクイーンの人たちにはずいぶんと慣れてきましたが(お一人は目をぱちくりしていらっしゃいましたが・・)、きわどいダンスもあったりで、お母さんには少々過激だったかも(笑)。でもそんな余興だけではなく、HIV感染者の方の作文が読み上げられ、これにもまた涙が・・。そしてエイズ予防啓発の呼びかけも。またある性同一性障害の方が詩を読み上げられました。「赤いサンダル」というその詩。誰からどんな目で見られようとも、自分らしく生きていきたいという願いがこめられたその詩にまたまた涙・・。神戸新聞の記者さんの前で感想を話してまた涙。もう近頃はどこかに参加しては泣いてばかりで、年のせいでしょうか・・?でも悲しい涙ではありません。感動の涙です。

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”人間と性”教育研究協議会とは・・

2007年05月13日 | Weblog
みなさんは“人間と性”教育研究協議会という団体をご存じでしたか? 通称「性教協」と呼ばれていますが、教師をはじめ、医者、助産師、カウンセラーなどさまざまな方が所属していらっしゃいます。

その性教協が「セクシュアリティ」という季刊誌(人間と性をめぐる教育と文化の総合情報誌)を出しています。この本を読むまでは、今の学校に正しい性の知識をお持ちの先生はほとんどいないだろうと思っていましたが、この団体の先生方はしっかりとした知識をお持ちで、性教育へのバックラッシュの中、それを学校教育の中で生かそうと日々努力しておられるのです。昨年の講演会の折も応援してくださったのですが、そのときある先生からのメールに次のような文がありました。

『・・・先週あまりにも、「おかま」という言葉が飛び交っているので聞くと一人のやさしい男の子に対してでした。言葉は人を傷つけること・やさしい男の子のどこがおかしい!やさしい男の子大賛成。強い女の子も大賛成。と話をしました。まだ5年生、恋するなどの感情はまだまだわかってくれませんでしたが、それ以後はからかい言葉としての「おかま」は聞いていません。ほんとに取り上げていかなければならない問題です。』

すばらしい先生ですね。大学でさえホモ発言をする教授たちがいるという情けない現在の教育現場の中に、このような先生がいてくださることをほんとうに心強いと思いました。

その性教協の中にはセクシュアルマイノリティ教育研究セクション(SES)という部門があり、その代表の方から4月号(31号)で「性と生――学校・家庭・地域とつながる」という特集を組むので、「つなぐ会」を立ち上げた経緯とこれまでの活動について書いてほしいという依頼をいただきました。少しでも多くの方にLGBTの親の気持ちを知ってもらえたら・・と思い、いつもながらのつたない文章なのですが書かせていただきました。(原稿は追って掲載いたします。)

以下の文は編集担当の方から送っていただいた「特集の趣旨」の一部です。

【特集趣旨】
・・・性教育でも、おとなの不安を意図的に煽るバッシングにより、学校ではきちんとした性教育の実施が困難な状況もみられる。しかし、科学的な性教育を受けた経験の少ない親・保護者は、多くの場合、子どもの成長をどのように保障するか不安を抱えている。
本特集では、子どもたちを中心に、その性の成長と自立を支援する観点から、子どもの性と生の実態とニーズに焦点をあて、保護者対象の性教育、授業参観(保護者会)、保護者向け通信、保護者のできる性教育などの理論と実践から、学校・家庭・地域の協働の道を探りたい。
さらにその取り組みから、子どもたちだけでなく、保護者・教職員にもポジティブなセクシュアリティの気づきをもたらし、両者の信頼関係をつくることによって「つながり」を構築するという、性と生の面からの積極的な提起を試みたい。

「性の成長と自立を支援するという観点」こそ、息子にカミングアウトされて以来私が先生方に是非お願いしたいと思ってきたことです。この本に寄せられた記事はどれをとってもすばらしい取り組みばかりです。是非読んでみてください。性教育の必要性を訴え、教育現場で実践してくださっているこのような先生方の輪がもっともっと広がっていくことを願ってやみません。そうすれば、自分のセクシュアリティを受け入れられず、孤独の中で悩み苦しむ多くの子どもたちを救うことができるからです。

“人間と性”教育研究協議会(性教協)ホームページ  http://www.seikyokyo.org/


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感涙の日々①

2007年05月13日 | Weblog
5月5日、尾辻かな子さんのキックオフ会に参加。盛会でした。そこで新しく二人のお父様とお知り合いになることができました。お一人が前でお話になったのですが、このお話がおもしろく、また同じ親としてその通りだとうなずくことしきりでした。

「親がいないと子どもは生まれませんけど、生まれた子どもは親のものでもないし、親の付属品でも、親の言うとおりになるものでもない。いつかは世の中にお返ししなければならない存在だと思ってきました。だから親の倫理観や古い価値観を押し付けるべきではないと、パートナーと相談しながら育ててきました。」

どうでしょうか? その通りですよね。言われてみればその通りだとわかっていても、いざ何かがあると、思うとおりにならない子どもに苛立ちや悲しみを感じてしまう。でもそんなときもう一度、このお父さんの言葉を思い出してみよう、そう思いました。お父さん、お母さんも是非!!

また「30代が燃えられないような人生は意味がありません!私も30代、ちょっとだけ燃えたことがありました(大爆笑)。志を持って、希望を持って、がんばってください!」と尾辻さんへのエールを送られました。お父さんのエール、すばらしい!!

そしてその席上、思いがけず青春時代の郷愁に浸ることができました。屋良朝友さんの歌。フォークギターを抱えて歌われたその歌声になつかしい青春時代が・・(笑)私の青春時代はフォーク全盛期でしたから、吉田拓郎やかぐや姫が活躍した頃を髣髴とさせる屋良さんの歌に酔いしれてしまいました。akaboshiさんのサイト(フツーに生きてるGAYの日常)でもう一度聴くことができ、思わず歌詞を書きとめました。(書きとめたのは一部分です・・聞こえないところも。なぜか涙・・・私の世代だけ??)皆さんも是非最初から最後まで聴いてみてください。

“ありがとう”
・・・・
夢をありがとう 愛をありがとう
いつかまた 出会う日を この胸に誓う
あしたはきっと 悲しみじゃなく
喜びの涙がながせるように

思い出すことさえも 苦しくなるほどせつない
あの日々が あったからこそ
今のぼくがあるんだ 決して自由じゃないけど
新しい 風を感じて

今はかすかな光だけど 本当の夢 見つけるため
行く手をてらす光となる 真っ暗闇の中 君に届けと 
ぼくは 歌う
  ・・・・

“with you”
・・・・
何を信じて 何を求めて 人はさすらいゆくのか
何かにすがり 何かに怯え 人はさまよいゆくのか

あの夢は時のかなた 果てしない霧のかなた
ゆるやかに 朽ち果ててゆく時代

ぼくたちは それでも走る あてもない???をめざす
もがきながら 迷いながら そして with you
 ・・・・

屋良さんはゲイのシンガーソングライターとして25年間、ライブ活動を続けてこられたとか。いつも「君は一人ぼっちではないんだよ、僕たちは決して一人ではない」というメッセージを歌に込めてきたとおっしゃっていました。心から励まされるメッセージ、ほんとうにありがとうございます。(また涙)

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