LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

『ラブれたーずfrom中野』②

2008年10月29日 | Weblog
☆『ラブれたーずfrom中野』第2弾、到着いたしました。
じつはこの4種類の文字を使ったタイトルにも桑島さんの思いがちゃんと込められています。
桑島さんのこのエッセイ、次はどうなるのだろう?と、私はとても楽しみにしているのです。私だけでしょうか??男性からゲイ男性はどのように見えるのか・・・、はたまた男性の友情とはいかなるものか・・・、人によっても違うのでしょうが、一応女性である私にはとても興味深いです(笑)。「笑顔の滞空時間」って、なかなかおもしろいですね!

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「哀しきどんでんがえし」

虹色の皆さん、まず軽く自己紹介を!「僕が最初にキスをした相手は実は男性だったのです!」何てね!中学生だった14歳の夏に海浜学校で人工呼吸(の訓練)をしただけですが(泣)。タオル越しの愛=キスでしたね。(人が生きるか死ぬかの時に自分が男か女か相手が女か男かは関係ないと思いませんか?)さて僕のゲイ友(とも)Kが久しぶりに日本に帰って来ることになりました。(Kは米国サンフランシスコに住んでいるのです。)お互いの近況報告が済むとKがふと「僕たちも人生半分来たよね。」とつぶやきました。僕らももう四十郎です。ただ僕と違いKは未だに格好良いのですが。ふと「あの日」のことを聞こうと思いました。「あの日」とはKが僕に自分がゲイだとカミングアウトした20年前のことです。
Kと僕は「あの日」今は閉店してしまったある台湾料理屋のお座敷席で歓談していました。急にKが何か決意した様に「恋人の写真」を見せるとニコニコしながら言って来ました。写真に写っていた恋人は「野球帽を被った白い肌の男性恐らくアメリカ人」でした。僕もニコニコしながら「へぇ~格好いい「男(ひと)」じゃん!」と特に驚きもせずに言いました。Kがゲイだとカミングアウトした時僕は正直言って「やっぱり!」と思ったからです。僕の偏見だったらご免なさい、Kもそうですが、ゲイの男性は「笑顔の滞空時間」がゲイでは無い男性に比べて長い様に思います。Kがゲイであることは予想がついたのです。あっ!言い忘れましたが、僕が最初にキス=人工呼吸した相手はKです。
Kが〈ゲイ〉であると知ったちょうどその頃にNから〈在日〉だと打ち明けられました。全く偶然に重なった二人のカミングアウトの印象は全く別のものでした。色に例えるとKがバレンシアオレンジNはダークブルーです。Kとは今でも時々会えるメル友ですが、Nとはあの後ずっと音信不通です。
ただ最近になって気がついたことがあります。二人には共通点があったのです。カミングアウトを在学中にしなかったことです。KとNには悪いのですが、二人はもしかしたら僕との関係が壊れることを心配していたと邪推も出来ます。また僕が拒絶や敵意を見せることも警戒したのでしょうか?
良く出来たミステリーは最後にアッと驚く意外な結末=「どんでんがえし」が待っています。そしてストーリーのあちこちに実は伏線=ヒントが張り巡らされていたことに気がつき作者の腕に感服します。「お見事!」
僕はKとNのIDを知って在学中に二人が話したことや怒っていたことを突然思い出しました。それは伏線=ヒントだったのです。当時は謎だった会話の意味が二人のIDから考えると全て謎が解けるのです。
もちろんKもNもミステリーの「犯人」ではありません。でも僕や僕がカミングアウトのリレーを試みようとした友人たちにとっては二人のIDは意外な結末=「どんでんがえし」でした。「お見事!」ではなくてどこか「哀しきどんでんがえし」でした。僕は二人は『夕鶴』の「おつうさん」に似ていると思いました。助けてもらった恩返しに美しい女性の姿を借りて与ひょうの妻になった「おつうさん」です。正体が明らかになった時に「おつうさん」は与ひょうのもとを去らねばなりません。
ゲイ友のKは日本を離れアメリカに住み〈在日〉のNは同窓会に一度も顔を見せません。もちろん偶然だと思いたいのですが。
虹色のみなさん、最後になぜKがゲイであることを僕が一生?の秘密にしようと考えたのか自分で自分を分析してみるのでお聞き下さい。
僕が海外旅行に出たとします。パスポートを税関で見せねばなりませんが、特に抵抗はありません。僕は海外で問われれば日本人(国籍&民族)だと答えます。つまり僕にとって日本人(大和系日本人?)であることはプライバシーではありません。従ってNが〈在日〉であるのは個人情報でもありますが、パブリック(共有情報)でもあると考えたのです。では海外旅行に「誰」と行ったのかまた海外で「誰」と会ったのかは出来れば言いたくありません。例えば芸能人が誰と付き合っているか僕はあまり知りたくないのと同じです。従ってKが誰と暮らしているかはKとKの家族が知っていれば良い問題だと僕は思ったのです。
民族/国籍はパブリックで外部にあるテーマです。でも性愛はプライベートで内面のテーマです。しかも触れたり触れられたくない微妙なテーマです。
虹色のみなさん、次回は僕の受けた「性」教育のお話をします。虹色のみなさんもご自分の受けた「性」教育を振り返ってみて下さい。


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