天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

文楽「伊賀越道中双六」一部

2013-11-25 21:42:12 | 観劇
白状しよう。
って、別に隠していないんですが(しかも、けっこうここで書いてる)、ワタクシ文楽を見に行ったら必ず、ほぼ必ず、薬物を入れない限りどっかで寝てます。
その上、床本買わない、イヤホンガイド借りない、でも初心者なので、毎回最初の方はかなーり呆けております。理解できないまま流れるように時がすぎ…

「あら?私いつのまにか意味が分かってる!」
と、往年の英会話商材のような感覚をほぼ毎回味わっております。

何が言いたいかというと、こんなのでも楽しめるんです。
それが文楽なんです。だから、ぜひ一度!



三大仇討話のひとつ「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」。
今回は通しでの上演。朝10時半からはじまって一旦4時に昼の部が終わり、4時半から夜の部。最終的な終演は夜の8時50分!
こころして臨まねばなりません…。
(私にとって)問題は人名。ひざの上に配役表をセット。
文楽劇場は字幕がでるので、今でている人は分かるんですが、あちこち話が飛ぶと「その人はダレ?」状態になりますので配役表で随時チェック。

おっとその前に、
こちらの動画であらすじが紹介されています→文化デジタルライブラリー
ストーリー紹介丸投げ。

ちょっとうっかりウトウトしている間に政右衛門が幼女と結婚しようとしているのでロリコンになったのかと焦っちゃった。これ実は、自分との関係が元で勘当された奥さんのお父さんが殺されて仇討ちをしたいんだけど今のままの関係なら正当な仇討ちの資格がないので奥さんを【形式上】離縁して、【形式上】その妹と結婚して仇討ちする資格を得たというおっそろしい裏事情。そうなんです、仇討ちには資格がいるんですね。なんでもかんでもやり返すという訳ではないのです。

さて、仇討ちのきっかけは、和田行家が殺されたことなのですがこの人の息子といい仲だった傾城・瀬川は実家に戻ってお米となって年老いた父親・平作と暮らしています。そこに偶然現れたのが敵側の町人十兵衛。じ、実は十兵衛はお米にとっての生き別れの兄だったのですーーーー。(火曜サスペンスのBGMで)
平作にとっては娘婿のために十兵衛から情報を取りたい。十兵衛はその日暮らしの貧しい暮らしをなんとかしてあげたい。お互いに名乗らない心の内で葛藤。
老人がとった手段は…自害することでした。
息子の胸の中で幸せように果てる平作。

ここを語るは人間国宝、竹本住大夫さん。
くるっと盆が回ったときの会場の拍手、空気。
私はこれを体験できたことを忘れないと思います。
平作と十兵衛が親子の対面を果たした時、近くにいらした男性の方々が涙を拭っておられました。
もちろん、私も。
こんなに悲しいのに、またこの体験をしたいと思うのはなんなんでしょうね。
私が文楽を分からないなりに追いたいと思う原動力はここなんです。

さて、この時点で4時。まだまだ仇討ちまでは遠い。
コメント
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