15時45分に一部が終わって、二部は16時半からです。
この時間は完全入れ替えなので一旦会場をでなきゃいけません。
なにせ長いので、一日で見るメリットは登場人物を把握できていることこと。
日が違ったら細かい設定まで覚えてねえよ。
という私には主の仇を打つために旅にでるなんて無理。
多分途中で楽しいことにのめり込み、辛いことに弱音を吐いて旅をやめているね。
しかし、登場者たちは敵を追って鎌倉から始まって、道中を双六のようにコマを進めていきます。
藤川まで来て切手(通行手形)がないと通れないことを知る脇の甘い和田志津馬。
そもそも志津馬が、仕事をほっぽりだして傾城瀬川といちゃいちゃしていて敵にハメられたことにより父上が殺されたというのに、またここでもひと騒動。
茶屋の娘・お袖ちゃんに取り入ってまんまと潜入、関所を通るために自分にぽぅっとなっている生娘を落とすなんざ赤子の手をひねるよりも簡単な志津馬。おいっ!
志津馬のために瀬川のお父さんが自害するところが一部の終わり。あの切なさがまだまぶたに残っているのにこの仕打ち。うぅ、釈然としない。でも、これというのもすべて仇討ちのためなのか…。
あ、ここに至るまでの二部のはじめは、笑いどころ(チャリ場というらしい)いっぱい。
チャリ場の主役はその名も「助平(すけへい)」…。
※wikiによると好色という意味に限定して使われるようになったのは、明治時代かららしい。
また、三河万歳もあって筋に関係ないサービス(?)が。そりゃ、長いですからね。息抜きも大切。
さて、進みまして「岡崎の段」です。
志津馬はお袖ちゃんが敵である股五郎の許嫁と知って、股五郎の顔を誰もが知らないのをいいことに家に上がり込みます。奥の間へ。
さて、ここの家主の幸兵衛は、実は政右衛門のむかーしの武術の師匠。ここへやってきました政右衛門、またもや股五郎の味方と偽ってまたもやまんまと上がり込むのです。
さ・ら・に、ここにやってきたのが(文楽には偶然という名の必然がしょっちゅう起こる)、乳飲み子を抱えた政右衛門の妻・お谷さん。なんでそんなややこしい時にくるねんな。
案の定、行き倒れに。
政右衛門は、股五郎の手がかりを得るためにウソを突き通さねばなりません。
緊迫した状況の末に、生まれたばかりの我が子を殺すのです。
主従の仇討ちの方が大事なんかいな。大事なんですな。子殺しよりも親殺しの方が罪が重く、主への忠誠が何よりも大事な時代…。
この辺りは知識だけでは消化できない。知識として歴史を分析しても分からないだろうなあ。
追体験しないと合点がいかない。文章や観劇で目の当たりにできるからこそ分かることがあるんだと思います。
そういう意味でも古典って大切。
特に大衆向けに作られた演芸はその当時を反映していて、それを伝承していることが時代をつなぐことにつながるんだと改めて感じさせられました、仇討ちに。
そして、最後はいよいよ「伊賀上野敵討の段」、おそらく…20分くらいの段だったと思います。
あっさりしてるよ!ここまで引っ張って最後の段はもう斬っちゃうだけです。
私の頭の中にも走馬灯のように今日一日の出来事が回っていました。
玉佳さんが舞台に…誰(の人形)でしたっけ?一部の最初のでしたがな、出てはったん…。
そして、無事に仇討ち。
私も「エイドリア~ン!」(ロッキーのテーマ)的なゴールを無事に迎えることができました。
帰りの電車、座れてラッキーと思えないくらいお尻は痛く、足はだるい。
ああ、これがエコノミークラス症候群かと思いながら帰宅したのでした。
次は正月だ!!
新春文楽公演
2014年1月3日(金)~2014年1月26日(日)
開演時間 第1部 午前11時 (午後2時55分頃終演予定)
第2部 午後4時 (午後8時頃終演予定)
電話・インターネット予約開始:2013年12月3日(火)10:00~