ブルックリン・フォリーズ | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
2006年に書かれた作品。
最初はふーんという感じでイマイチ乗れなかったのですが(それはスタートの設定がかなりマイナス的なことが多いから)、途中の展開から愉快になってきて読書ペースがあがり読了。
初老の男が死ぬ場所を探すために~が物語のスタート。長年連れ添った妻とは離婚し、娘にも絶縁され、偶然あった甥っ子は大学院をやめて太った古書店の店員になっていた。うむ、これは読みにくい。
ところが、ですね甥っ子の雇い主・ゲイの店主がでてきたあたりからぐんぐん物語が盛り上がってくるんです。ちょっとダメなところがあったり、いや、かなりダメなところがあったり、間違えたり、罪を犯したいろんな登場者が主人公のまなざしの中でイキイキと描かれていて、葬式のシーンでドラッグクイーンが口パクショウをしたあたりは電車の中で泣きました(なんのこっちゃ分からんでしょうけど)。
ちょっとずつそれぞれのエピソードが集約されていき最後に描かれているのが…。
ああ、そういうことか。
それぞれ、そう、それぞれ。
市井の人たちそれぞれに人生がある。