靱猿(うつぼざる)
吉田玉女改め 二代目吉田玉男 襲名披露 口上
襲名披露狂言
一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)
熊谷桜の段/熊谷陣屋の段
卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
平太郎住家より木遣り音頭の段
千秋楽最後の回は、補助椅子まででる満席でした。まずは狂言の焼き直しの「靭猿」滑稽な動きとお祝いと。土曜に狂言を見に行った方も「靭猿」を見たそうで、比較も面白そうです。
そして、口上。人形遣いの方の襲名披露では本人はひとことも話さないのが慣例だそう。勘十郎さんと同期とは知ってましたが、和生さんも同期とのこと。入門して47年、まだまだ競い合われるのですね。そして、寛治さんは口上でも小さい方でした。司会は千歳大夫さん。
襲名披露狂言として「一谷嫩軍記」を。玉男さんらしく猛々しい立役、脇を勘十郎さん、和生さんが固められていました。咲大夫さんの義太夫、圧巻。そして、文字久さんに超びっくり。何回もええっ?!と見直した!!声が所々かすれていたようにも思えたり、三味線に…てところもありましたが、まあすごかった。最初の靖さんもよかったです。
ラストが「卅三間堂棟由来」前も書きましたが、この話好きなんです。おりゅう柳の話(先輩の研究対象だった)。姿を消した奥さんを家族が探す場面で姑も「嫁女、嫁女」と叫ぶのです。これがもぉダメ。こどもよりもダメ。姑に好かれるほどのいい嫁ですよ。うわー、かわいそう。
それにしても、蓑助さんのおりゅうさんの美しいこと!消える場面の(舞台装置)スピードがないのは仕方がない。少し頭が動くだけで内面がこんなに描かれるものかと。
そして、やっぱり木遣りのところでこどもに泣かされるのでした。