Dalla Cucina

イタリアの旅の記憶を中心に
あれこれ書いています。

フィレンツェ in ospedale a Firenze その2

2007-06-06 23:59:22 | ☆イタリア 記憶の風景



 シニョリーア広場、コジモ1世の騎馬像の前を何度通ったことでしょう。
 出かけるときは「いざ、行ってきます」。
 帰ってきたら「行って参りました」。

 私の病院通いは ある意味「イタリア語での戦い」でした。
 次の日 指定の時間に行くとドクターに呼ばれたのです。
 「あら、これで 退院かしら?」と思ったら、
 倒れたときの状況やダンナの体調、日本での様子などなど、
 いっぱい聴かれました。
 「ドメニコが救急ドクターに説明したのに・・・」と思いながらも
 二人のドクターの前で話さなければならなかったのです。

 ドクターは一人が女性、明るい感じ。意味が分かりにくいと言えば、
 ゆっくり話してくれるのですが、もう一人のドクターがすごく暗くて
 無口。笑顔もなくて、「苦手かも」と思っていたら、どうもうちの担当医
 になっているようでした。

 日本とシステムが違うのか、何でもゆっくりの検査。
 なかなか終わらないし、結果も知らされないまま 時間が過ぎていきます。
 
 

 



 お昼ごろになると、廊下のほうからいい匂いがしてきました。
 どうやら ランチのようです。
 「いい匂い」と係りの人に聞こえたのか、「ちょっと待ってて」と言って
 パスタを別のお皿に山盛り入れてくれました。
 「あ~ オレの倍はある」とダンナ。
 ローストチキンもけっこうおいしく、パスタは生セージ入りでした。
 「こんなおいしい病院食食べたの初めてやなあ」とか、変に二人で
 感激したりしながら、ひたすら待っていたのです。
 
 本人はいたって元気、帰りたいし、明日はフィレンツェを一日離れる予定。
 ドクターと交渉してほしい、と言うので無口で暗いドクターの元へ
 行ったのでした。
 無口の彼が「だめだ。何とかかんとか、ぺらぺらぺら・・・」
 は?さっぱりわからない!
 これってイタリア語?何でもふしゃふしゃって聞こえる。
 ひょっとして トスカーナ訛り?
 ロベルト・ベニーニを三人あわせたみたいな感じ。
 
 そうなると、普通のイタリア語もみんなトスカーナ弁に聞こえてきて
 わけがわからなくなってきたのです。
「先生、待ってください。電子辞書を持ってますので、押してください」
 と頼んで打ってもらったら、なんと普通の言葉でした。

 ちょっと気まずいムードが漂って、ドクターは帰ってしまったのですが、
 勇気を出して再度 話をしに行きました。
 「明日は友人を連れて移動しなければならない。明日のいつなら退院できますか」
 今度はこちらの事情です。
 「すべての検査を終わらせて、明日の2時には」と やっと話が終わりました。
 
 あああ、疲れた~。
 気い 使ったわ~。
 
 もう一日お泊りとなり、私はまたタクシーで街まで帰ろうとしたのですが
 裏口から入ってきて出口で迷い、どこにいるのかわからなくなってしまったのです。
 待合みたいなところに電話もなく、人に尋ねると、外にタクシースタンドが
 ある、とのこと。
 行ってみると、確かにあるのだけど、タクシーはいなくて場所も書いていない。
 ここはいったいどこ?
 どうして こんなに人がいないの?と思っていたら、日曜日でした。

 ちょうど 通りかかった警官に尋ねると、「日曜だから待ってても来ない。
 私が呼んであげよう。」とタクシー会社に電話してくれたのです。
 (もちろん、私のケイタイから。でも海外対応のケイタイでよかった!)

 そんなこんなで夕方、また騎馬像の前を通りました。
 「ただいま~。戦って参りました。」と、報告。

 本当に今日は言葉との戦いでありました。
 
 
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コメント (8)