Dalla Cucina

イタリアの旅の記憶を中心に
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Un signore accanto a me ☆Veronaのアレーナで

2013-06-15 23:02:00 | ☆イタリア 記憶の風景
 

 まだ旅の興奮が冷めません。flag7
 なので印象的だった人や出来事を忘れないうちに書き留めておくことにします。

 まずは、「人」。
 コンサートで私の隣に座っていたイタリア人男性について。
 開演中は撮影禁止なのでコンサートの模様はイメージしてくださいね。



 ↑ この明るさで午後8時過ぎです。
   コンサートの会場となったアレーナに、続々と集まってくる人たち。
   ツタンカーメンさんは、ずっと黙ってお仕事中なのでした。




 


  ↑もうすぐ午後9時、いよいよ開幕間近。
  でも照明がテスト中?
  テレビ放送されるので、その準備にも手間取っているようです。
  後ろを見ると、まだまだお客がぞろぞろ入場中。
  結局20分遅れて開演となりました。

  開演に先だって、観客に白いハンカチ風の布が手渡されました。
  「パバロッティーをこれで偲ぶのんかなあ」と勝手に思ったけれどハズレ、
  「カルメン」の「闘牛士の行進」に合わせて振ってほしい、とのこと。
  あ、それから表が赤と緑、裏が銀のパネルも配られました。
  最後にイタリア国歌を歌うとき振ってお別れ、というテレビ的演出に
  みんなで協力するらしいのです。

  私になぜかハンカチが2枚配られ、友人の誰かが
 「お隣さん、持ってないようだったら渡したら?」と言われ、
  初めて隣の席のシニョーレの存在に気が付きました。

  いい風にいえば、マルチェロ マストロヤンニ風の紳士。
  ツイードのスーツをパリッと着ているところを見ると、地元の人?
  お連れも同様な紳士たち、
  でも彼がちょっと違うのは、お連れがハンカチやパネルを持って楽しそうに
  談笑しているのに、パネルは上着の下ポケットにしまいこみ、
  ハンカチはあるのかないのか・・・
  それにいたって寡黙なのです。

  


  ↑ 4時間に渡ったコンサート終了直後の写真。(コンサート中は撮影禁止。)


  コンサートがはじまりました。イメージしてくださいね。

  アンドレア ボチェッリが「トスカ」の「星は光りぬ」E lucevan le stelleを歌います。
  すると、横のシニョーレが鼻歌でいっしょに歌い始めるのです。

  「ちょっとお、やめてよ~。」
  と、何度か言いたくなったほど、オペラのアリアがお好きなようでした。
  

  (小声の鼻歌なので聞こえているのは両隣くらいだろうけれど・・・)

  「誰も寝てはならぬ」 Nessun dorma の時だったでしょうか。
  ボチェッリの歌にスタンディング オベーションがおこりました。
  周りは総立ちで拍手の嵐、
  でも 私の隣のシニョーレは一人立ちません。

  やがて、コンサートのハイライト、
  白いハンカチを振る場面。
  全員で思いっきりハンカチを振って、それを宙吊りになったテレビカメラが
  追いかけるのですが、シニョーレはちょっと胸のハンカチに手を添えただけで
  一切動かず、じっと腕組み。(やっぱり持ってたんだ。)

  演出が気にいらないのだろうか、
  なんか元気ないなあ。みんなノリノリなのに・・・
  なんて秘かに観察していた私。

  ところが、フィナーレのイタリア国歌をパネル持ちで歌うシーンでは、
  あの寡黙なシニョーレが歌い始めたのです。
  それも2番 3番とだんだん声が大きくなり、
  最後にはパネルを手に高くこぶしを突き上げて「オーッ!」。

  その眼は明るく輝いていました。

  よかったあ!

  私、なんだかホッとしちゃったのでした。(^^)



  


  ↑ コンサート終了後も広場のレストランは開いています。
    夜中の1時なんですけどね。

  



  
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