AFP通信によると、ロシアがウクライナとの国境地帯及びウクライナ南部クリミア半島にあわせて10万人以上の兵力を集結させていたが、どうも撤退していくことを明らかにした。ロシア軍の部隊増強に対して米国が警告を発しており、相変らずウクライナ情勢は緊迫した状況が続いているという。
ウクライナ問題は、ロシアによる2014年のクリミア半島併合が発端。さらにウクライナからの独立を主張する同国東部2州の地位を巡り政府軍と親ロシア派武装勢力の間で衝突が繰り返され、これまでに1万3000人以上が犠牲になったという。過去数週間にロシアはこの地域に接する地帯に軍を集結させており、より大規模な戦闘が再燃する恐れが高まっているらしい。
日本人にとって馴染みが薄いウクライナという国を旅行したのは、2010年9月に首都キエフのみであったが、コロナもないし、平和な時代であったかも知れない。皆があまり行かない国なので、参考までに当時の現地での旅行記を思い返してみたい。
9月17日夜8時すぎ、ベラルーシのミンスクからキエフに到着したが、空港からホテルまでの移動が大変であった。予想通り、到着ロビーを出た瞬間から、タクシーの呼び込みがしつこくあった。夜間にそんなタクシーに乗ったら、ボラれるのは必至だし、身の危険も伴う。空港を出て、バスらしきものを見つけ、乗り込もうとしたら、先に乗っていた男性(エアラインの機長だった)が降りてきて自分たちも同じところで降りるので、地下鉄への乗り継ぎ場所も教えてくれるという。駅の表示がウクライナ語とロシア語だけにも拘わらず、地下鉄も何とかスムーズに乗れたが、駅を降りてからがまた大変であった。おおまかな地図しかなく、暗い中大きな荷物を持って迷って歩いていると、何とホテルのロゴマークのネオンが目に入ってきて、何とかホテルに辿りついた。
18、19日は世界遺産の聖ソフィア大聖堂や黄金ドーム修道院をはじめ、郊外ではペチェールスカ大修道院(世界遺産)や聖三位一体教会などキエフ市内の名所を見て回ったが、街が大きいのと英語の案内表示がほとんどない上、地図の表記も現地語だけなので、ほとんど役に立たず、何度も道に迷った。一番観光客が行きかうあたりで、「財布拾い」の詐欺に出くわした。歩いていると目の前で財布を拾ったという人が近寄ってきて、山分けしないかと相談を持ちかけてきた。そこに落とし主が現われ、落としたお金をくすねていないか財布の中を見せろと言ってきた。拾った人は財布の中を見せて拾っていないふりをしていたが、こちらにもくすねていないか落とし主が見せろとせまるので、その場の雰囲気で仕方なく見せる羽目となった。このあたりで怪しい殺気を感じたので、ちらっとだけ見せて、くすねていないと主張し、二人を無視してその場を去って、事なきを得た。二人はまさにグルであった。拾ったというお金は透明のビニール袋にユーロの紙幣がいっぱい入っていたが、初めは、その人が本当に拾ったのかと思い、警察に届けたらどうかとアドバイスしてしまったほどである。しかし何となく怪しい状況を感じ、足早にその場を去ったのは大正解であった。後で、インタ−ネットで調べたら、キエフでは頻発している犯罪とのことであった。実際にその場に出くわしてみると、財布拾いが芝居かどうかわからないほど彼らの演技力は抜群であった。
19日夜は、キエフの国立オペラ・バレエ劇場で生まれて初めてクラシックバレエを鑑賞した。チケットはいろいろ種類があったが、4階席の一番前の席を購入(約600円)。4階席といっても舞台ともそんなに離れておらず、値段以上に価値あるいい席であったが、日本だったら何千円もするであろう。演目はあの有名な「ドン・キホーテ」だが、バレエ音楽は、レオン・ミンクスという人が1869年に作ったもので、バレエ音楽の世界では有名なようである。100円のプログラムを買って、ストーリーをあらかじめ頭に入れておいたため、ストーリーの展開もよくわかった。 オペラ同様、舞台前のオーケストラの生演奏に合わせてバレエが展開され、ストーリーが進んでいく。見るまではたかがバレエと思っていたが、バレエの踊り、オーケストラの演奏の迫力に予想以上に感動するものがあった。ウクライナは治安に不安もあるが、見どころも多いので、一度は行ってみたい国である。
写真は、聖ソフィア大聖堂(見出し画像-世界遺産)、黄金ドーム修道院及びドン・キホーテのバレエ
ウクライナ旅行アルバム(4.52まで): https://youtu.be/dzWsC3dhDY8
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