昨年12月に発売された「60代からはソロで生きる」という副題のついた「ちょうどいい孤独」(鎌田實著)という本を図書館で予約していたが、順番が回ってきて目を通す機会を得た。日曜朝の文化放送のラジオ番組「日曜はがんばらない」で紹介されていたもので、そのタイトルに惹かれた。
コロナ禍以降、「孤独」が一種のブームになっていて、「ぼっちキャンプ」「孤独のグルメ」「ソロ活」「ソロ立ち」といった孤独にまつわる言葉がマスコミを賑わしている。鎌田氏は、「孤独を癒す」ではなく、「孤独を楽しむ」ことを薦め、「孤独に」生きるではなく、「孤独を」生きる、即ち、「望んで得る孤独」を薦めている。著者は、「孤独」の楽しさ、素晴らしさを提案しているが、孤独のプラスを強調する高尚な「孤高」ではなく、普段は誰かとつながっていながら、「ひとりでいたいときにはひとりを楽しむ」ことができる「ちょうどいい孤独」を楽しむことを提案している。自分の人生観と符合するところが大なので、力強い後押しをしてもらった気がする。
目次を見れば、大体の趣旨が見えてくると思うので、目次を記してみる。(一部略)
第1章◎「ちょうどいいひとり時間」は人生を変える
「ソロで生きる力」を磨く時代
高齢者の三割は友達がいない
人間は「ひとりでいたい」欲求を持つ存在
「孤独力」を磨けば「孤立」は招かない
孤独には魅力がいっぱい
執着を減らして「ソロ力」を上げる
孤独の醍醐味は個人の価値に気づくこと ……
第2章◎群れない、束縛されない「ソロ活」のすすめ
「ブレない生き方」を追求する「ソロ立ち」
コロナ禍で「自分との付き合い方」を学ぶ
人生は思い通りにならない。だからこそ思い通りに生きればいい
誰にも「自分時間」を邪魔させない
人生という「ひとり芝居」がある
孤独と不安をごちゃ混ぜにするな
第3章◎さびしいという孤独感を減らして「孤独力」を上げる
孤独は本物の伝染病
人生強者の「孤独のすすめ」に騙されない
家族がいても孤独や孤立のリスクはつきまとう
結婚しても孤独感はつきまとうこともある
「ひとりでいる力」は離婚を減らす
第4章◎家族や集団の中でこそ「ソロ精神」を発揮しよう!
老いの孤独を遊ぶ
ひとり時間で人生の軌道修正
孤独は人間の本能
他人と比べなければ「さびしさ地獄」に落ちない
新しいことにチャレンジして自分を見つめる
誰かといたいときにだけ、誰かといればいいのだ
自分と向き合う技術を磨く ……
第5章◎「老いの坂」を下りるスキルをどう身につけるか
孤独をしっかり生きている。でも「励まし」は欲しい
人生の最後の最後は「個人戦」
ちょっとだけ人のために動いてみる
「誰かといるのに孤独」なのは危険がいっぱい
誰でも「孤独名人」になれる
ひとり力を鍛える健康ソロ活
いくつになっても潜在的な欲望がうごめく
「PPH(ピンピンヒラリ)」は「ソロ立ち」の基本
死の怖さから早く自由になろう
心を許せる誰かがいれば、人間は生きていける ……
第6章 略
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