透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

井上ひさし氏の心

2013-07-21 18:54:30 | 日記

晴れ。最低気温14・9℃、最高気温27.3℃。昨日、

昨日、録画しておいた「ラストメッセージ 井上ひさし"最期の作品」を見る。2013年5月4日(土)にNHK総合で放映されたものだ。井上ひさし氏原案の舞台「木の上の軍隊」の制作過程を追ったドキュメンタリー番組で、沖縄、そして日本の今をあぶり出す内容となっていた。

井上ひさし氏は今年の4月9日で亡くなられてから丸三年が経つ。75年の生涯に60に上る戯曲を書いているそうだが、その彼が最後まで書こうとして書ききれなかった戯曲があったという。書こうとして書けなかったという姿から、沖縄が抱えている問題の深さに心苦しさを抱えながら対峙しようとしたひさし氏の葛藤が伝わってくる。構想は沖縄戦の激戦地となった伊江島で、戦争が終わったことを知らずに2年間もガジュマルの木の上に隠れ続けた二人の日本兵がいたという実話を基にしたものだった。

ひさし氏の志を継いで、親しかった方たちの手で戯曲「木の上の軍隊」が完成し、4月5日から東京を皮切りに上演されることになった。その公演の一部をテレビで見ることができた。悲惨な状況下でも笑いをというメッセージが生かされていた。上官が太っていったという事実も人間の理性と感情と行動のアンバランスで不可解な一面を物語っている気がした。また、番組では脚本家の方が「上官が太っていくという事実は今の日本とつながってくるというか・・・・・」と語っていたのも印象深い。                                                                  

                                                                          

                       

                                                                    《 テレビ番組の中から》

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