透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

駒ヶ岳

2013-09-12 20:49:04 | 日記

晴れ。最低気温18.3℃、最高気温25.5℃。 

昨日、大沼公園に立ち寄りました。大沼では駒ヶ岳が美しい姿を見せていました。賢治の作品『春と修羅 第一集』所収の「噴火湾(ノクターン)」という作品に登場する駒ヶ岳です。1923年8月11日の日付を持つこの作品はオホーツク挽歌群の最終に配され、「駒ヶ岳駒ヶ岳」と呼びかけ、「そのまつくらな雲のなかに/とし子がかくされてゐるかもしれない」と目を凝らし、「わたくしのかなしみにいぢけた感情は/どうしてもどこかにかくされたとし子をおもふ」と、賢治のどうしようもないさびしさや葛藤などの複雑な心境が吐露されています。

列車の中からは幾度か見たことがあったの駒ヶ岳ですが、あっという間に通り過ぎてしまうので、なかなか写真に撮ることができませんでした。今日は散策路の数か所から好きなだけカメラに収めることができ幸運でした。

『春と修羅 第一集』所収「噴火湾(ノクターン)」の一部を引用

   「駒ケ岳駒ケ岳

   暗い金属の雲をかぶつて立つてゐる

   そのまつくらな雲のなかに

   とし子がかくされてゐるかもしれない

   ああ何べん理智が教へても

   私のさびしさはなほらない

   わたくしの感じないちがつた空間に

   いままでここにあつた現象がうつる

   それはあんまりさびしいことだ

     (そのさびしいものを死といふのだ)

   たとへそのちがつたきらびやかな空間で

   とし子がしづかにわらはうと

   わたくしのかなしみにいぢけた感情は

   どうしてもどこかにかくされたとし子をおもふ」

『宮沢賢治全集Ⅰ』(ちくま文庫)

 

                                  《駒ヶ岳 大沼公園から》

                            

                            

                            

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