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昨日(2017年5月27日)の北海道新聞夕刊に掲載されていた記事です。
以前、読んだ寮美千子氏の著書『空が青いから白をえらんだのです』の舞台となった奈良少年刑務所のことが取り上げられていました。
2016年度末に閉鎖された後、2017年2月に重要文化財に指定されたのですね。
写真で見ただけですが、刑務所とは思われない瀟洒な建物に、驚いたものです。
網走生まれの私は刑務所と言えば、赤煉瓦造りの塀に囲まれた網走刑務所を思い浮かべてしまうのですが、それは現在、監獄博物館として網走の観光スポットとなっています。
話がそれてしまいましたが、奈良少年刑務所がホテルに生まれ変わるというのですから、心底驚いてしまいました。頭を柔軟にすると、こうした発想が生まれるのですね。
それだけ、この建物には魅力があったとも思われます。
明治政府が監獄の国際標準化を目指して建設した「五大監獄」の一つで、唯一現存しているものとか。
この時期の建物は北海道内でも駅舎や官公庁舎などをはじめとして魅力的な味わい深い建物が多いと感じます。建築家の才能と手腕が発揮される時代だったのかとも思いました。
優れた建物が使用目的を変えながら使われ続けることで、建物自体が衰退から守られるという利点があるかと思います。
茨木のり子氏の詩「廃屋」に「棲まなくなると/家は/たちまちに蚕食される/何者かの手によって/待ってました!とばかりにー中略ー人が/家に/棲む/それは絶えず何者かと/果敢に闘っていることかもしれぬ」とあるように。