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今年も我家から車で20分ほどの東野幌にあるノハナショウブの群落を見てきました。
そもそも4000年前の石狩平野は6万haの広大な湿地だったそうです。これは現存する釧路湿原(2万7千6百ha)の2倍強です。この石狩平野を石狩川、千歳川、豊平川、夕張川など多くの河川が、ゆったり流れながら蛇行を繰り返し、数多くの三日月湖や湖沼を作りあげていきました。その周辺には植物が腐らずに堆積し、深さ数メートルもの泥炭地を生み出します。
この石狩平野に入植の鍬が入り、泥炭地は耕作地として、また、埋め立てなどによる水位低下で、湿地帯は減少していきました。同時に湿地帯を好むノハナショウブもまた花を咲かせることができなくなっていくのです。
現在、自生のノハナショウブが咲く場所もあることはあり、また耕作地内の水路周辺には広範囲に散見できるそうですが、それでも、このように大規模な群落を見られるところはないとのことです。広大だった頃の「石狩湿原」を思い起こさせるノハナショウブ。
この群生地は近隣住民の方々がノハナショウブの生態を観察し、コツコツと守り育てたからこそのたまものです。ノハナショウブ保存会はこうした方々とともにこの群生地の保護に取り組んでおられるとのことで、頭が下がる思いがしました。
保存会の方が珍しいノハナショウブの種を手渡してくださいました。
我家に戻り、育て方が詳細に書かれたプリントを読むと、ノハナショウブに対する想いの深さが伝わってきました。
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開拓により追いやられたものの存在を目にし、意識する事は、時空間を見据えたバランス感覚を宿すことになるような気がしています。