沖縄インディーズシーンの雄、
DUTY FREE SHOPP と
カクマクシャカのコラボアルバム『音アシャギ』。神が降りてきて遊ぶ場所を意味する「神アシャギ」をもじったタイトルの通り、なにかが降りてきて乗り移ったがごとくの、洗練されているにも程がある、最強の一枚なり。
ずばりジャンルはHIP-HOP/RAP。以前にも少し書いたけど、僕は正直このジャンルが日本人によって歌われるのが大嫌いで、なぜなら日本語詞ラップの韻の踏み方が、どこをどう聞いても寒いダジャレの羅列にしか聴こえないのです。それは例えるなら、欧米人が演歌を歌っているような、おいおい日本人には無理あんじゃねーの、的な滑稽さに満ち満ちて聞こえたのです。
とはいえ、世界は広い、中には泣ける演歌を聴かせる欧米人もいるかもしれず、日本語ラッパーにも同様にすんばらしいのがいるかもしれない。できるだけ偏見を捨てて探し回っているうちに出会ったのが、沖縄のレゲエ&HIP-HOPの第一人者、U-DOU&PLATY(ユードウアンドプラティ)でした。沖縄音楽を随所にちりばめた、クールな中にユーモアあふれる独特の音楽性に、僕のHIP-HOP嫌いは見事に崩れ去りました。沖縄音楽とHIP-HOPって相性良さそうです。
そして次に出会ったNEW TOWNER(ニュータウナー)。自らをエンターテイナーと公言する彼等のパフォーマンスは、HIP-HOPにありがちな「どや、俺等ってかっこええやろ?」的なドヤオーラに包まれた有象無象バンドのそれと違い、「どや、俺等って、音楽って楽しいやろ?」と、こちらの音楽に対する娯楽欲を、絶妙に満足させてくれます。このバンドにも正直やられました。
そして、もうひとバンド。冒頭で紹介したDUTY FREE SHOPPxカクマクシャカ、そのアルバム『音アシャギ』の完成度たるや!もう、なんというか、ごめん、悪かった、HIP-HOP最高!かっちょ良すぎだぜえ。
豪華ゲスト陣とのコラボがヤバい表題曲「音アシャギ」をはじめ、ラテン色(?)のノリノリな楽曲「記憶の叫び」、沖縄の戦後を鬼気迫る言霊の嵐で紡ぎだす「民のドミノ」など、 HIP-HOPの持つ楽しさと、沖縄という土壌の奥深さが垣間見えて、もうなんとも極上!
次回の沖縄ひとり旅のドライブソングはこの一枚で決まり。沖縄を背景にこの音楽が流れるのを想像するだけで、ニヤニヤウキウキしてしまうのです。