COCON烏丸3Fにある京都シネマにて、映画『パンズ・ラビリンス』を見てきました。
少女オフェリアが現実逃避の末迷い込んだ妄想世界でのファンタジー体験寓話。収集した前情報からそのように脳内組み立てをした僕は、子供のころに見た『ネバーエンディングストーリー』や『Return to Oz』、『ラビリンス 魔王の迷宮』なんかを想像して映画館に向かいました。
ところがどっこい。
いや、間違いではなかったのです。世界観の独特さ、クリーチャーの造形の素晴らしさ、夢と現実の絶妙な曖昧さ、どれをとってもダークファンタジーの傑作です。
ですが、もっともっとファンタジーで、みんなハッピーめでたしめでたし、というのを想定していたのですよ、僕は。
主人公オフェリアを追い詰める現実世界側には、冷酷な養父、独裁政権、ゲリラ、スパイ、拷問と、トラウマ度にまみれたラインアップ。ノコギリやペンチはそういう使い方をするもんじゃないって!途中、『SAW』シリーズを見てるのかと思ってしまったのです・・・。
んで、オフェリアが逃げ出し、たどり着いたは妄想世界「パンの迷宮」。普通なら救いがあってしかるべきなのだけど、悲しいかな、少女はこちらの世界でも、グロテスクなクリーチャーに追われたり、殺されかけたりと散々な目に。救いがないのにも程があるでしょうよ(いや、見方によっては救われてるんだろうけどさあ)。
その独特な世界観に吸い込まれ、個性的すぎるキャラ達に惹きつけられ、せつないストーリーに締めつけられます。くれぐれもメルヘンファンタジー世界を目的に足を運ばないでください。そこさえ間違わなければ、近年稀に見る、すれっからしも思わずうなる傑作を堪能できるはずですよ。
ちなみに劇場パンフはぜひ入手してみてください。大槻ケンヂや杉作J太郎のパンチの効いた紹介文が素敵です。
『パンズ・ラビリンス』予告編動画(youtube)