GABACHOP〜あがんにゃな日々〜

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ワルシャワフィル

2009年01月21日 | 日記・コラム
ひとつ前の回で、18歳頃に聴いていた音楽としていくつか名前を挙げているのですが、その中のひとつアニメ『ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が制止する日』のサントラについて紹介しようと思います。

アニメ『ジャイアントロボ』といえば、横山光輝の同名原作を元に大胆アレンジ、かつOVA(オリジナルビデオアニメ)にあるまじき巨費と歳月をかけた名作です。

声優に洋画系の大御所声優陣を贅沢に起用したり、今では珍しくなった手描きセル画が使われていたりと、そのこだわりっぷりも昨今のアニメとは一線を画すこの作品、音楽も相当力が入っています。

アニメやドラマで流れる音楽のほとんどは、シンセサイザーによる打ち込み系らしいのですが、この作品の音楽は全てポーランド国立ワルシャワ・フィルハーモニックオーケストラ総勢70人による生音です。コーラスだけでも20人の大所帯。スケールや臨場感が違います。

また、物語の進行に合わせて秒単位で曲が変化するように作曲されていて、どういうことかというと、例えば列車の上でのアクションシーンで、前半のにらみ合いシーンでは緊張感のあるヒリヒリした曲から始まり、後半アクションが動き始めると曲も合わせて転調しだすという、ただイメージを元に作曲したのでない、リアルタイムな曲作りがなされているのです。映画みてえ。

そんな気合いの入りまくった、国立オーケストラの演奏による職人気質の珠玉の数々が、テレビアニメでもなく、劇場アニメでもない、セル&レンタル専用のOVAのために作られた、というのが正気の沙汰じゃないですね。

アニメのサントラ、と括ってしまうのは勿体ない、“大人の仕事”がたっぷりつまったサントラなのです。