ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

マンゴー

2011年03月25日 | 飲食:果物・菓子

 沖縄の高級果物

 植物としては既に沖縄の植物『マンゴー』で紹介済み。その中で、「マンゴーは結実期に雨に打たれると落果するらしい。結実期はちょうど沖縄の梅雨時」と書いてあるが、まったくその通りで、記録的な雨量となった今年の沖縄の梅雨で、職場に3本あるマンゴーには幼果もごく少なく、成熟果実は1個も収穫できなかった。
  気温条件で言えば、沖縄はマンゴーの栽培に適している。結実期に梅雨さえなければ露地栽培できる。値段の高いマンゴーである。そういうことであれば、沖縄の民家の庭に植えられることも多かろう。値段の高いマンゴーを、ウチナーンチュは庭に出て、ひょいともいで、ガブガブ食うことができたわけだ。でもまあ、残念ながら、である。

 生産者はビニールハウスで栽培している。ビニールは雨避けとしてのビニールで、温度調整は必要で無い。その分、手間はかからないと思うのだが、マンゴーは高い。その価格には手間賃だけ で無く、「美味しい」という価値が付加しているのだろう。確かに、その価格に見合う美味しさは十分あると私も思う。
 高いものは1個5000円以上もするらしいが、私が食べるものは近所のスーパーで売られているもので、大きさが十分でないとか、少し傷が付いているとかの理由で、値段が安くなったもの。見た目は良くないけれど、味はちゃんとマンゴーの味がする。それを半分に割って、片方に付いた種を削ぎ取り、種にへばりついた果肉をしゃぶり取った後、皿に盛った果肉にかぶりつく。果汁が口の横から滴り落ちる。美味いぜ!
      
      
 マンゴー
 ウルシ科の常緑高木。国内では奄美以南に分布する。
 いくつかの品種があり、ペリカンマンゴー、アップルマンゴーなどが有名。
 →植物としてのマンゴー

 記:ガジ丸 2006.9.21 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


オオフトモモ(レンブ)

2011年03月25日 | 飲食:果物・菓子

 意外に美味しいフトモモ

 家からバス通りまでは徒歩5分、そこから南へ200mほど行くと銀行が左にある。その向かいの民家の庭には、他所の庭ではあまり見ない樹木が植えられている。週末散歩などで月に1回はこの家の前を通る。クロツグとコミノクロツグが並んで植えられているのもこの家。オオフトモモの果実がたわわに実っていたのもこの家。
  オオフトモモの実は、特に美味しいものという記憶が無かったので、他人の庭に実っている果実をもいで、食っちまおうという気持ちはさらさら起きなかった。ところが、そのオオフトモモ、先日久しぶり(十何年ぶり)に食ったら、意外に美味かった。「ウソっ、これ、こんなんだったっけ!」と、少し驚いてしまうほどであった。今月(9月)の模合(堂々と行ける飲み会)で、脱サラ農夫のTが、自分の畑に実っているオオフトモモを数個持ってきてくれて、その1個を貰い、後日、食ったのであった。

 植物としては既に沖縄の植物『オオフトモモ』で紹介済み。その中で、「『果実はリンゴに似た味で甘くは無い』と文献にあるが、何年か前に1度口にした時の私の感覚では無味。『サラダとして食される』とも書かれてあって、なるほど、ドレッシングで味付けするなら美味しく食べられそうな気はする。」と書いたが、今回食べてみて、その件は撤回することとなった。「甘くは無い」については、そりゃあ確かにマンゴーほどの甘さは無いが、果物としては十分の甘味がある。「無味」については、いやいや、爽やかな香りと風味がありました。酸味もほど良く、ジューシーな美味しい果物でした。
      
 オオフトモモ(レンブ)
 フトモモ科の常緑高木。原産分布はマレーシア。
 果実は洋梨形をしている。甘味はやや少ないが、酸味が少しあり、爽やかな味。
 食感は梨のような感じで、梨よりもっとサクサクしている。
 →植物としてのオオフトモモ

 記:ガジ丸 2006.9.21 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


のまんじゅう

2011年03月25日 | 飲食:果物・菓子

 首里の有名な饅頭2

 ”やぶれまんじゅう”は好きで、子供の頃から食べており、よく知っている。”山城まんじゅう”は好物では無かったが、首里高校のすぐ近くにあり、私の通学路にあり、ほぼ毎日その店の前を通っていたので、よく知っている。つい最近まで私は知らなかったのだが、もう一つ有名な饅頭が首里にあった。”のまんじゅう”という。
  今年の春、社長の知人が職場にやってきて、”のまんじゅう”を袋いっぱい土産に持ってきた。その1個を頂いた。首里に住みながらも私には初体験の”のまんじゅう”であった。表に朱書きで”の”の字が書かれてある点と、サンニン(ゲットウ)の葉で包まれている点を除けば、コンビニで売られている中華まんのアンマンと見た目も味もほぼ同じ。私の好きな粒餡がたっぷり入っていて、まあまあ美味しく頂いた。
      
 訊けば、”のまんじゅう”を売っている店は職場から近いとのこと。歩いて5分ほどの距離だそうな。HPで紹介しようと思い、先日、その店へ出かけた。
  「首里名物のまんじゅうのまんじゅうください」と注文するとややこしいだろうな思いつつドアの前に行くと、先客が3人いた。20個を買い、10個を買い、三人目も10個を買った。1個で良かった私だが、それを見て「1個ください」とは言えなくなった。2個注文する。「のを入れますか?」とお姉さんが訊く。できたての饅頭は白いままで、客が好めば”の”の字を書き入れるようだ。「はい」と私が答えると、お姉さんは筆を取り、食紅(たぶん)をつけて、さっと”の”の字を書いた。達筆であった。
 店を出た後に、「首里名物の饅頭、”のまんじゅう”ください」って言うのを忘れたことを思い出したが、次にしようと決めて、家に帰り、早速食べる。さすがに出来立ての熱々は美味しかった。美味しかったが、大きいので1個が私には限度だった。
      
 のまんじゅう
 「首里名物のまんじゅう」とタイトルのあるちらしに、「おいしい召し上がり方」が書かれてあり、その下にまんじゅうの由来という文字が見える。読むと、「昔から沖縄では祝い事にのを書きのしの代わり縁起物として重宝されています。また白色は法事用に使用しています。」とのこと。饅頭の由来というより”の”の由来を書いているようだ。
 そのチラシの下段には店の名前が書かれてある。店名は「首里名物ぎぼまんじゅう」が本名らしい。ぎぼは地名の儀保。今は首里久場川に店を構えているが、元は首里儀保にあったようだ。終戦直後に開いたというから、創業60年ほどの歴史がある。

 記:ガジ丸 2006.9.4 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


やまぐすくまんじゅう

2011年03月25日 | 飲食:果物・菓子

 高校生の頃、当時の首里高校には校内に売店があり、文房具の他、菓子パンやコーラなどの清涼飲料水も置いてあった。勉学には励まずとも遊びや部活などには一生懸命の少年少女たちは、お腹を空かせるであろうとの学校側の配慮だったに違いない。
 私もまたよくお腹を空かせている少年であった。部活が終わった後に買い食いすることも多くあった。学校の周辺にはいくつも食堂があり、昼休みだけで無く、学校帰りにもよく利用した。沖縄ソバ、冷やしぜんざいなど沖縄の定番メニューの他、コーラと駄菓子という選択肢もあった。今は、そのような食堂は見当たらない。現在の少年少女たちはきっと、我々がやったようなことをコンビニでやっているのだろう。

  首里高校正門から龍潭向け50メートルくらいの場所に饅頭屋さんがあった。私の記憶(あまり確かでは無い)では、2坪くらいの小さな店で、たった一種類の饅頭を、婆さん1人で製造販売していた。古い店で、今もなお続いているらしい。
 饅頭の名は山城(やまぐすくと読む)饅頭で、店の名も山城饅頭。友人たちの中には大好きだという者もいて、一人で5個も6個も食う奴がいたが、私は好きで無かった。

 饅頭シリーズを書こうと思って、ずいぶん前に”やぶれまんじゅう”を食い、最近になって”のまんじゅう”を食い、そして、”山城まんじゅう”を食おうと先日、山城饅頭店まで出かけた。山城饅頭店は閉まっていた。入口に張り紙があった。道路拡幅工事で、今年の2月から休業しているとのこと。再開時期は未定との事。
      
      
 高校の時以来食っておらず、当時の記憶も定かでないので、山城まんじゅうがどういうものだったのか覚えていない。で、山城まんじゅうを紹介するためには、実物を買い、店主にいくつか質問する必要があったのだが、それは不可能ということになった。
 定かでない記憶で言うと、山城まんじゅうは、餡子を薄い皮でくるみ、サンニン(ゲットウ)の葉で包んだもの、薄い緑色、いや、緑色はサンニンの色か、饅頭は薄い茶色だったか、その辺は曖昧。大きさは直径8センチくらい、厚みは1センチくらいの円形。
  中身を餡子と書いたが、漉し餡に何か混ぜたものであった。何を混ぜたものかは不明。ネットで調べると小豆餡と書かれてあるサイトがあったが、友人たちに聞くと、やはり、私と同意見。ケーキの甘さは苦手だが、餡子の甘さは好物であったのにも関わらず、私が山城まんじゅうを好きで無かったのは、何かを混ぜた餡子が好きで無かったのだ。

 私にとってはそんな山城まんじゅう。高校の3年間で3個も食べたかどうかというくらいの山城まんじゅう。であるが、私はそうでも、一般には、山城饅頭は人気が高く、客足が絶えなかったらしい。だから何年も続いているのであろう。山城(やまぐすく)という名前の人が始めたのでこの名があり、100年以上の歴史があるとのこと。
 山城饅頭、私の記憶が正しければその味、食感は”むぎまんじゅう”に似ている。
      
 記:ガジ丸 2006.9.1 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行


やぶれまんじゅう

2011年03月25日 | 飲食:果物・菓子

 はち切れそうな脳

 私の机の上には何やら書いてある紙が、常時数枚ある。気付いたこと、調べなければならないことがいくつも書かれてある。それらのメモは定期的に整理され、済んだことは消され、まだなものは新たな紙に記入され、それが机の上に置かれる。そうやって私の作業は何とかかんとか、少しずつ進んでいっているのである。メモが無ければその進み具合もずっと遅れるであろう。記憶だけには頼っていられない。私の脳は衰えている。
 パソコンを購入して2年半になるH、まったく進歩していないわけでは無い。ネットのサイトを見るのは上手になった。であるが、私がいる間、彼がパソコンでやっていることといえばそれだけである。ワードやエクセルを開いたり、HP作成ソフトをいじったりしているのを見たことは無い。メールさえほとんどやらない。彼もまた、自分の脳味噌が衰えていることに気付き、彼の場合は、努力しても無駄、と開き直っている。

 2個買って1個しか食えなかった”のまんじゅう”の残りの1個を土産に、先週の土曜日、Hの店へ行った。店には彼の女房のE子と、昔は美人だった、今でもそれなりのAE子がいた。衰えた脳味噌を持った4人でしばしユンタク(おしゃべり)する。
  土産の”のまんじゅう”の話から、首里高生のおやつ”山城まんじゅう”の話になり、そして、”やぶれまんじゅう”の話になった。”山城まんじゅう”について、私はそほどの思い出も無く、美味しかったという記憶も無い。が、”やぶれまんじゅう”についてはよく知っている。ケーキの甘さは苦手な私だが、アンコの甘さは好物である。”やぶれまんじゅう”は皮が薄く、その体積のほとんど、9割以上がアンコでできていた。祖母がよく買ってきてくれて、子供の頃から慣れ親しんでいる饅頭であった。
 ”のまんじゅう”もアンコの量は多い。全体に大きく、皮が厚いので、アンコの比率は5割ほどであろうか。”やぶれまんじゅう”と”のまんじゅう”を見比べていたら、子供の頭と年取った頭みたいだと思った。子供の頭には脳味噌がはち切れそうなほどに詰まっている。衰えた頭は脳が萎縮して、その分皮が厚くなっている。

 やぶれまんじゅう、沖縄の食い物かと思っていたが、宮崎や鹿児島など南九州の名産らしい。そういえば、やぶれまんじゅうは和語である。ウチナーグチ(沖縄口)では無い。沖縄のものであれば、パップギ(はち切れる)まんじゅうとかいう名前になろう。
      
 記:ガジ丸 2006.8.30 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行