もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

公共施設の利用解禁に思う

2021年03月06日 | 社会・政治問題

 首都圏の緊急事態宣言が2週間延長されることとなった。

 自分が参加しているお絵描き教室は公民館施設を利用しているために当然開店休業の状態であったが、8日以降の使用が解禁されたために再開することとなった。
 施設の利用再開を伝える市長(俳優「上地雄輔」の父として有名)のメッセージでは再開の理由を『・・・施設が利用できないことにより、特に年配者の方々の、日々の運動とコミュニケーションの不足から、これまでの生き甲斐すら失いかねないのではないかとの懸念を常々抱いていました。・・・』とあった。
 海上自衛官は、艦艇勤務では、国内にあっては母港停泊と数日間の出動訓練の繰り返しであるために、社会との関係も短期出張が多いサラリーマン並みの生活であるが、海外派遣等に従事する場合には外界から一定期間隔離され社会とは没交渉の状態になる。また、陸上勤務にあっては「ほぼ毎日帰宅する」世間並みの日常を送ることとなる。さらには勤務地の変更や転勤も短いインターバルで行われることから、環境の変化には速やかに順応することが求められる。
 このような環境を経験しているからであろうか、自分は巣ごもり状態ではあってもテレビや電話で外の世界とのコミュニケーションが保てる生活は苦にならなものであるが、前掲の市長メッセージを読むと、ライフスタイルの変化にストレスを感じている高齢者が少なからずいるように思える。
 更には居酒屋で気炎を上げたり営業時間の短縮を疑問視する声や、渋谷スクランブル交差点の人出映像に接すると、天変地異にあっても変化に対応できない少壮年もまた多いように感じられる。
 通常、社会や外部との接触をに強制的に制限されるのは入院患者や受刑者くらいであり、大多数の国民はその制限を経験していない。しかしながら現在は、もし中国コロナ過が起きなければ生涯経験することが無いであろう強制隔離を、大多数の国民が要請という名のもとに自発的に行わなければならないという状況であることを思えば、仕方のない感染者数であるかも知れない。

 1年前の今頃と記憶しているが、櫻井よしこ氏が「国民に外出自粛を呼びかける報道が1社も無い」と慨嘆しておられた。
 昨今では、テレビでも感染者数等の告知の最後に外出自粛を呼びかけることも多くなったが、「世の中」というモンスターが方向性を持つためには、長い時間が必要であるのかも知れない。
 しかしながら、ネット上のルール破りを称賛する主張が少数ながら賛同者を得ていることを思えば、メディアの多様化に伴って将来的には強制力無くしては「世の中」が単一の方向性を持つことは無くなるもかも知れないとも思える。