参院予算委員会での社民党福島瑞穂党首の質問に違和感を持った。
質問は、丸川珠代男女共同参画担当相が選択的夫婦別姓に反対する主張を持っていることから、大臣の資格がないとの趣旨で行われたもので、質問は執拗に繰り返されて数度の審議中断にまで発展したとされている。
丸川大臣は本名(戸籍名)の大塚珠代ではない通称で社会生活や政治活動を行い、福島党首は内縁関係を続けていることは、ともに周知のことで現代女性の代表的な生き方をしているように思える。
自分は夫婦は同姓であるべきで、片方(概ね女性であろうが)が望むならば旧姓のまま社会生活を送ることが理想と思っている。
定年後に再就職した会社に総務を一手に取り仕切る女傑が旧姓のままに受け入れられていた。そんな風潮もあって課内で結婚した社員をどう呼ぶべきか本人の意向を確かめたら「新しい姓でお願いします」と明確に意思表示されて落着したことがあった。一般的に社会生活などその程度のもので、本名でしか通用しない銀行口座名や保険診療などの不便さを除けば、誰しもが容易に通称で生活できるものと思っているが、旧姓に限りない愛着やアイデンティティを持った人のために選択的夫婦別姓までは許容しなければならないと思っている。
主題の福島VS丸川バトルについてであるが、福島党首の否(負)は明らかであるように思う。福島党首が問題とした丸川大臣の選択的夫婦別姓反対は大臣の政治信条であり、その信条は大臣の所管業務の根幹である「男女共同参画社会基本法」の執行とは何らの関係を持たないものであるからである。男女共同参画社会基本法は前文で、「男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会を目指す」と謳っているが、姓に関しては何ら規定されていないのに、大臣の政治信条が職務遂行の阻害要因である以上に信条まで否定するかの発言は如何なものであろうか。
旧姓(通称)で政治活動を行なっている丸川大臣が「通称使用の拡大はこれからも取り組んでいきたい」と答弁したことは、法と世相の調和を図る意味から大臣・議員としては極めて妥当なものと思える反面、福島党首の発言は憲法で保証された「思想信条の自由」を侵害しかねない行為に思える。
かって政権や大臣という名誉・権勢欲を満足させるために反天皇制、反自衛隊という信条を棄てて政権担当可能勢力ににじり寄った村山自社さ連立内閣、民社連立内閣を振り返れば、福島党首の政治信条絶対の論旨には、達者なお笑い芸人以上の笑いを提供してくれるものに映る。「ホンマでっか」情報であるが、女性は自分の正義に反する相手を攻撃することで快楽因子を活発化させると聞いたことがある。福島党首にあっては論理的に破綻する攻撃は、社民党消滅の時期を早めることにしかならない自覚を持つことを勧めて、本日は終演。