「まや」型イージスの2番艦「はぐろ」が就役した。
「はぐろ」の就役で防衛計画が目標としていたイージス艦8隻体制の整備が完了したことになるが、イージスアショア代替艦の建造が確実視されていることから、ミサイル防衛のための努力は今後とも続くものと思える。
日本の海上防衛については、詳しいことは知る由もないが艦隊4個と中軸艦8隻の考え方は伝統的に受け継がれているように思える。帝国海軍は対米戦を意識し始めた1907(明治40)年に、艦齢8年未満の戦艦8隻と重巡8隻を中核戦力とする「八八艦隊」を目標とし、海上自衛隊では対潜戦近代化のために1個護衛隊群を8隻の護衛艦と8機の対潜ヘリコプタで編成する「新八八艦隊」が整備目標とされた時期があった。
艦艇の建造と戦力化には4~6年という期間が必要なことから、帝国海軍では第1・2艦隊を優先的に整備し第3・4艦隊は旧式艦で編成することが常態化していた。海上自衛隊でも同様な意味から新鋭艦は第1・2護衛隊群に配備されることが多いように思えるが、「はぐろ」の就役を祝うとともに、早期戦力化のための乗員の努力と研鑽を期待するものである。
Lineの個人情報が中国に筒抜けとなっていることが報じられた。報道では「中国で閲覧可能な状態となっていた」とソフトに報じられているが、実際には中国共産党の主導による窃取活動と観るべきであろう。Lineは特定の対象者との情報交換が容易であることために行政機関・与野党でも広く使用されていたことから、既に中国は、個人情報は云うに及ばず立法の過程や行政の進捗状況とともに、親中・嫌中勢力の色分けや、攻略・篭絡対象者の弁別等のために多くの情報を手に入れたものと思っている。
トランプ大統領が安全保障の観点からファーウェイ社の排除を目指したことに対しては懐疑的な意見を述べる識者もいたが、ファーウェイ社の5Gシステムが情報の窃取という受動的な情報活動以外にも有事における通信かく乱や通信遮断という積極的な機能を持っている危険性は覚悟することが必要であると思っている。
軍・民需品を問わず外国の最新システムについては、輸入・ノックダウン(現地組立)・現地生産の如何を問わず、核心的な部品についてはメーカーの指定部品を使用しなければ所定の機能が発揮できないようになっているのが一般的であると思う。指定部品は開封や分解・解析できないブラックボックスとなっているのが普通で、外交関係が破綻したり戦争状態になった場合にのみ設計図等が閲覧・使用できる契約となっているが、それとても万全ではないと思う。例えば、米国製のイージスシステムも、戦時にあってはアメリカの航空機やミサイルは攻撃できない機能が「目を覚ます」ようになっているかも知れないので、国の最重要インフラについては国産で賄う努力を放棄すべきでは無いと思う。
今回のLineによる情報窃取も、安易に外国製のシステムに頼ることの脆弱性に警鐘を鳴らしたものと思っているが、軍需に代表される先端技術の研究を忌避する学会は何と見ているのだろうか。