もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

都議選結果を考える

2021年07月06日 | 野党

 4日に投開票された都議選の結果が確定した。

 各会派議席の増減は選挙前の欠員1議席を含める17議席であるが、地域政党の都民ファーストの会が15議席と無所属が1議席をそれぞれ失い、それを自民8議席、立民8議席、共産1議席と分け合った格好である。
 この結果について、報道やネット上では様々に分析されており、代表的なものは、「小池都知事の病後やつれが都民ファーストの退潮を食い止めた」、「7つの1人区のうち自民が取ったのは2選挙区のみであるのは立民・共産の選挙協力がうまく機能した」、であるように思える。
 都民ではないが野次馬的に議席の増減を基に考えてみると、事前の報道では立民が革新系第1党になるとの予測もあったが、共産党に及ばなかったことに注目したい。東京は連合の組織票が相対的に低いという実状を割り引いても、「次期総選挙に弾みがついた」と福山幹事長が小躍りする程のものでは無いように思える。期日前投票の定着で些か様変わりしたとされているが、投票日が雨の場合は組織票を持つ政党と革新政党が有利であるとされてきたので立民が微増にとどまったのは、選挙協力した共産党の組織票に依ることが大きく、立民自体の地方支部は未だ整備途上であることを示しているように思える。
 それ以上に、反都民ファースト・反自公有権者の受け皿となり得なかったことが最大の要因ではないだろうか。武漢からの邦人引揚げ当日にも蓮舫副代表の「モリ・カケ・サクラ」に集中した委員会質問に見られるように、対案を持たずに自公を貶めることで相対評価をのみ上げようとする体質、それを払拭しようとしてかパンデミック1年後になって漸くに・矢継ぎ早に提示した「ゼロコロナ戦略」、「大きな政府構想」、「政権構想(選挙公約ではない)」、「脱炭素構想」に露呈した財政音痴ぶりは、空白の3年間を招いた民主党政権の「埋蔵金」を彷彿させるものでしかなかった。
 加えて、通常国会終盤の内閣不信任案提出のモタツキ、香港ウイグル問題非難決議に反対、中国共産党創立100年記念行事への祝電、は果たして立民が日本の政党で、政権を委ねるに相応しい政党であるか疑念を持たれるものであることも大きく影響していると思う。

 今回の都議選を置いても枝野代表が立案し既に幾たびかの選挙で行われている共産党との「選挙協力・連立政権不可」ほど理解できないものは無い。
 凡そ議院内閣制下の国政選挙は政権選択選挙であると思っている。前回の衆院選挙では政権成立のキャスティングボードを握ると観られていた希望の党が、小池百合子氏が立候補しないために小池総理が実現しないことから惨敗したように、自分を含めて多くの有権者は自分が投票する候補者・政党が、政権を握ることを期待していると思う。選挙協力で多数党となった立民の立法姿勢や枝野総理の施政に共産党の思惑が投影するであろうことを、多くの有権者は賢明にも懸念し胡散臭くも感じていると思える。
 枝野選挙協力は「狗肉を売るための羊頭を掲げる」もので、ペテン・騙しの手法とするのは暴論・ヘイトであろうか。